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小学生でも分かる実用新案法|実用新案法 全条文総まとめ 特許法と実用新案法の違い一覧(早見表) ― 特許は「テストあり」、実用新案は「テストなし・あとで成績表」

小学生でもわかる実用新案法:特許法との違い早見表(総まとめ)

小学生でも分かる実用新案法 / D. 審判・訴訟 #30

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シリーズ29本で見てきた実用新案法を、「特許法とどこが違うか」という一点にしぼって1枚の早見表にまとめます。保護対象・進歩性の文言・図面・無審査登録・出願公開の有無・技術評価・存続期間・登録料・訂正・権利行使の要件・無効審判の請求人適格・変更の期限。数値と条文番号は、本シリーズの各記事で取得した条文の文言だけを使い、この記事で新しい番号を持ち込んでいません。

条文:実用新案法第1条〜第48条(総まとめ)関連:特許法第2条、第29条、第36条、第46条、第46条の2、第48条の3、第64条、第67条、第108条、第123条、第126条参照時点:2026年9月

目次

LEVEL 1イメージでつかむ

特許は「テストあり」、実用新案は「テストなし・あとで成績表」

特許と実用新案は、どちらも「新しいくふう」を守るしくみです。いちばん大きなちがいは、合格証(権利)をもらう前にテストがあるかどうかです。

特許は、出願したあとに「審査(しんさ)」というテストがあります。審査官が「これは新しいか」「かんたんに思いつくものではないか」を調べ、合格すると特許になります。テストがあるので時間もかかりますが、合格証は強いものです。

実用新案は、このテストがありません。書類の形さえ整っていれば、すぐに登録されて合格証がもらえます。そのかわり、あとで「本当に新しかったのか」を知りたいときは、特許庁に成績表(実用新案技術評価書)を作ってもらいます。そして、人に「まねをやめて」と言う前には、この成績表を見せなければなりません。

特許:テストあり 実用新案:テストなし・あとで成績表 ①出願(発明) ②出願審査の請求(3年以内) ③テスト(実体審査)あり 新しいか・容易かを審査官が調べる ④特許査定 → 設定登録 ⑤そのまま権利行使できる × 提示・警告の要件はない 出願の日から20年(特許法第67条第1項) ①出願(考案)+登録料3年分 ②形のチェック(基礎的要件) ③テスト(実体審査)なし × 新しいか・容易かは見ない ④すぐ設定登録 ⑤成績表(技術評価書)を提示し 警告してから権利行使 出願の日から10年(実用新案法第15条)

図は左右にスクロールできます。

凡例
特許(左)の段
実用新案(右)の段
点線の枠=その手続・要件が「ない」(×)
矢印=手続の順番
①段の番号(左右の同じ番号が対応する段)

【図1】特許(左)と実用新案(右)のしくみを、①〜⑤の同じ5つの段で並べたもの(箱の大きさ・矢印の高さは左右でそろえてある)。特許は③のテスト(実体審査)を通ってから④の登録になり、そのまま権利行使できる。実用新案は③のテストがないまま④で登録され、⑤で「成績表(実用新案技術評価書)」を提示して警告してからでないと権利を使えない(実用新案法第6条の2、第12条、第29条の2)。存続期間の年数は条文のとおり(2026年9月時点)。※説明の都合上、出願公開・拒絶理由通知・補正などの手続は省略した(→【図2】)。

出願から権利行使までの2本の流れ

flowchart LR
  subgraph P["特許の流れ(特許法)"]
    direction TB
    P1["①出願:特許出願"]
    P2["②公開:出願公開(1年6月)"]
    P3["③審査:出願審査の請求(3年以内)
→ 実体審査(拒絶理由通知・意見書)"] P4["④登録:特許査定 → 特許料納付 → 設定登録"] P5["⑤権利行使の前提:× 提示・警告の要件はない"] P6["⑥権利行使:差止・損害賠償"] P1 --> P2 --> P3 --> P4 --> P5 --> P6 end subgraph U["実用新案の流れ(実用新案法)"] direction TB U1["①出願:実用新案登録出願+登録料3年分"] U2["②公開:× 出願公開はない"] U3["③審査:× 実体審査はない
→ 基礎的要件の審査(補正命令)"] U4["④登録:設定登録 → 実用新案掲載公報"] U5["⑤権利行使の前提:実用新案技術評価の請求(何人も)
→ 評価書を提示して警告"] U6["⑥権利行使:差止・損害賠償"] U1 --> U2 --> U3 --> U4 --> U5 --> U6 end style P1 fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F style P2 fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F style P3 fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F style P4 fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F style P6 fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F style U1 fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F style U4 fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F style U5 fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F style U6 fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F style P5 fill:#EEF0F4,stroke:#5D6B7A,color:#22303F style U2 fill:#EEF0F4,stroke:#5D6B7A,color:#22303F style U3 fill:#EEF0F4,stroke:#5D6B7A,color:#22303F

図は左右にスクロールできます。

凡例
特許の段
実用新案の段
× その制度・要件がない
①段の番号(左右の同じ番号が対応する段)

【図2】出願から権利行使までの2本の流れを、①出願/②公開/③審査/④登録/⑤権利行使の前提/⑥権利行使の同じ6段でそろえたもの。実用新案には②出願公開と③実体審査がなく(実用新案法第6条の2、第14条第3項)、そのかわり⑤で評価書の提示と警告が必要になる(実用新案法第12条、第29条の2)。各段階の条文はレベル2の早見表を参照。※説明の都合上、補正・訂正・審判の枝は省略した。

レベル1のまとめ

  • 特許は「テスト(実体審査)」に合格してから権利になる。実用新案は「テストなし」で登録され、あとで「成績表(技術評価書)」を作ってもらう。
  • 実用新案は、成績表を見せて警告してからでないと、人に「やめて」と言えない。
  • 守る期間は、特許が出願の日から20年、実用新案が出願の日から10年。

※「テストなし」でも形のチェック(基礎的要件)はあります。守る対象・期限・料金などにも細かなちがいがあります。正確には条件があります(→レベル2・レベル3)。


LEVEL 2条文の骨格

ここからは、シリーズ各記事の「特許法との対比表」を1か所に集めます。条文番号は各記事で取得した原文に基づくものだけを載せ、「詳しくは」の列にシリーズの記事番号(#)を示します。特許法側の条文で本シリーズが原文を取得していないものは「要旨」と記します。

早見表(1)保護対象・登録要件・出願書類

項目 特許法 実用新案法 根拠条文(実用新案法/特許法) 詳しくは
保護対象 発明(物の発明・方法の発明・物を生産する方法の発明) 「物品の形状、構造又は組合せに係る」考案のみ。方法・組成物・化学物質・プログラム自体は対象外(審査基準 第X部第1章 2.1) 実用新案法第1条、第3条第1項柱書、第2条第3項/特許法第2条第3項(要旨) #1
定義の文言 「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」 「自然法則を利用した技術的思想の創作」(「高度」の限定なし) 実用新案法第2条第1項/特許法第2条第1項 #1
登録要件(進歩性の文言) 「……に基いて容易に発明をすることができたとき」 「……に基いてきわめて容易に考案をすることができたとき」 実用新案法第3条第2項/特許法第29条第2項 #2
新規性の3類型・拡大先願・先願 公知・公用・刊行物等(特許法第29条第1項)、拡大先願(第29条の2)、先願(第39条) 同じ3類型(第3条第1項第1号〜第3号)、拡大先願(第3条の2)、先願(第7条)。特許出願との先後も第7条第3項・第6項で決める 実用新案法第3条第1項、第3条の2、第7条/特許法第29条第1項、第29条の2、第39条 #2 #3 #6
出願書類(図面) 「明細書、特許請求の範囲、必要な図面及び要約書」(図面は任意) 「明細書、実用新案登録請求の範囲、図面及び要約書」(図面は必須) 実用新案法第5条第2項/特許法第36条第2項 #5
公序良俗 「公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明」は特許不可 同じ3つの語。実用新案では基礎的要件(補正命令の対象)でもある 実用新案法第4条、第6条の2第2号/特許法第32条 #4
仮実施権 仮専用実施権・仮通常実施権(特許法第34条の2〜第34条の5) 仮通常実施権のみ(第4条の2)。仮専用実施権の制度はない(第11条第3項も「仮専用実施権に係る部分を除く」) 実用新案法第4条の2、第11条第3項/特許法第34条の3、第34条の5 #4 #8

〔表1〕保護対象・登録要件・出願書類の対比(各条文は本シリーズ #1〜#8 でe-Gov法令検索から取得した原文に基づく。2026年9月参照)。特許法第2条第3項は要旨。

実用新案法第2条第1項この法律で「考案」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作をいう。
特許法第2条第1項この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
実用新案法第3条第2項実用新案登録出願前にその考案の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる考案に基いてきわめて容易に考案をすることができたときは、その考案については、同項の規定にかかわらず、実用新案登録を受けることができない。

早見表(2)審査・公開・登録・料金・存続期間

項目 特許法 実用新案法 根拠条文(実用新案法/特許法) 詳しくは
審査の有無 実体審査あり。審査官が拒絶理由を通知し、対応しなければ拒絶査定 実体審査なし(無審査登録)。基礎的要件(第6条の2第1号〜第4号:保護対象/公序良俗/記載形式・単一性/著しい記載不備)のみ、特許庁長官が補正命令。補正しなければ手続の却下 実用新案法第6条の2、第2条の3/特許法第49条・第50条(要旨) #9
新規事項の追加禁止 特許法第17条の2第3項。拒絶理由・無効理由 実用新案法第2条の2第2項。登録前に拒絶されることはなく、無効理由(第37条第1項第1号) 実用新案法第2条の2第2項、第37条第1項第1号/特許法第17条の2第3項 #9
出願公開の有無 あり。出願の日から1年6月を経過したときに出願公開(特許掲載公報の発行をしたものを除く) なし。設定登録があったときに実用新案掲載公報に掲載される(法定の公開期間はない) 実用新案法第14条第3項/特許法第64条第1項 #10
出願審査請求 vs 技術評価 出願審査の請求:何人も、出願の日から3年以内。請求がなければ出願は取り下げたものとみなす(要旨) 実用新案技術評価の請求:何人も、請求項ごとに可。出願中でも登録後でも、権利消滅後でも可(無効にされた後・登録に基づく特許出願の後は不可)。取下げ不可。対象は第3条第1項第3号・第2項(同号に係るもの)、第3条の2、第7条第1項〜第3項・第6項に限る 実用新案法第12条第1項〜第3項・第6項/特許法第48条の3第1項 #12
権利の発生・公報 設定の登録により発生。第1年〜第3年分の特許料納付等があったときに設定登録 設定の登録により発生。放棄・取下げ・却下の場合を除き設定登録(登録料は出願と同時なので登録の条件として書かれていない) 実用新案法第14条第1項・第2項/特許法第66条第1項・第2項 #10
存続期間 特許出願の日から20年。延長登録あり(要旨) 実用新案登録出願の日から10年。延長・更新の規定なし 実用新案法第15条/特許法第67条第1項 #14
登録料(特許料)の納付時期 第1年〜第3年分は特許査定・審決の謄本送達日から30日以内に一時に 第1年〜第3年分は実用新案登録出願と同時に一時に(変更・分割のときはその変更・分割と同時)。第4年以後は前年以前 実用新案法第32条第1項・第2項/特許法第108条第1項 #15
登録料(特許料)の上限額 1件61,600円+1請求項4,800円を超えない範囲内で政令で定める額 1件18,100円+1請求項900円を超えない範囲内で政令で定める額 実用新案法第31条第1項/特許法第107条第1項 #15
追納・回復 期間経過後6月以内に追納、割増同額。回復は「経済産業省令で定める期間内」 期間経過後6月以内に追納、割増同額。回復は「納付することができるようになつた日から二月以内で…追納することができる期間の経過後一年以内」 実用新案法第33条第1項・第2項、第33条の2第1項/特許法第112条第1項・第2項、第112条の2第1項 #15

〔表2〕審査・公開・登録・料金・存続期間の対比(本シリーズ #9〜#15 で取得した原文に基づく。2026年9月参照)。特許法第49条・第50条・第48条の3第4項・第67条第2項以下は要旨。

実用新案法第15条実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から十年をもつて終了する。
実用新案法第32条第1項前条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の登録料は、実用新案登録出願と同時に(第十条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更又は第十一条第一項において準用する特許法第四十四条第一項の規定による出願の分割があつた場合にあつては、その出願の変更又は出願の分割と同時に)一時に納付しなければならない。

早見表(3)訂正・権利行使・審判・変更

項目 特許法 実用新案法 根拠条文(実用新案法/特許法) 詳しくは
訂正の回数・時期 訂正審判(回数制限の定めなし。異議申立て・無効審判の申立て・請求から決定・審決確定まで請求不可。取消訴訟係属中も含む)と、無効審判の中の訂正の請求 訂正書による自主的な訂正。中身を直す訂正(減縮・誤記の訂正・明瞭でない記載の釈明・引用関係の解消)は一回に限り、最初の技術評価書の謄本送達日から2月経過後、または無効審判の最初の答弁書提出期間経過後は不可。請求項の削除のみの訂正は回数制限なし(特許庁に係属中で審理終結通知後は不可。再開時は再度の通知後。無効確定後も不可) 実用新案法第14条の2第1項・第2項・第7項/特許法第126条第1項・第2項、第134条の2第1項 #13
権利行使の要件(評価書提示) 提示要件なし 「実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ」侵害者等に権利行使できない 実用新案法第29条の2/― #23
無効確定時の責任 相当する条文なし 権利行使・警告の後に無効審決(第37条第1項第6号の理由によるものを除く)が確定したとき、相手方に与えた損害を賠償する。ただし、評価書の否定的でない評価に基づくとき、その他相当の注意をもって行ったときは免責 実用新案法第29条の3第1項/― #23
過失の推定・無効の抗弁 過失の推定(特許法第103条)、無効の抗弁(第104条の3) 第104条の3は第30条で準用。第103条・第104条は第26条・第30条のいずれも準用していない 実用新案法第26条、第30条/特許法第103条、第104条の3 #23 #24
無効審判の請求人適格 利害関係人に限り請求できる(共同出願違反・冒認は特許を受ける権利を有する者) 何人も請求できる(共同出願違反・冒認は実用新案登録を受ける権利を有する者に限る)。権利消滅後も可 実用新案法第37条第2項・第3項/特許法第123条第2項 #25
異議申立て・拒絶査定不服審判・訂正審判 いずれもあり いずれもなし(無効審判の中の訂正の請求もなし)。実用新案法の審判は実用新案登録無効審判 実用新案法第37条/― #25 #29
審判の請求書・答弁書 特許法第131条、第134条等 自前の条文(第38条〜第39条)。請求書の補正は要旨変更が原則禁止、審判長の許可で例外 実用新案法第38条、第38条の2、第39条/― #26
審決取消訴訟 東京高等裁判所の専属管轄。取消決定(異議申立て)に対する訴えもある 東京高等裁判所の専属管轄。対象は審決と請求書却下の決定のみ(異議申立て・訂正の請求がないため)。出訴期間は謄本送達日から30日 実用新案法第47条/特許法第178条第1項・第3項 #29
変更の期限(→実用新案登録出願へ) ― 特許出願・意匠登録出願から変更:最初の拒絶査定謄本送達日から3月、または元の出願の日から9年6月を経過した後は不可 実用新案法第10条第1項・第2項/― #11
変更の期限(→特許出願へ) 実用新案登録出願から変更:出願の日から3年(拒絶査定を基準とする期限はない) ― ―/特許法第46条第1項(要旨) #11(特許法第46条の記事)
登録に基づく特許出願の期限 実用新案権者が自己の実用新案登録に基づいて特許出願できる(実用新案権は放棄)。出願の日から3年経過、自分の技術評価請求、他人の技術評価請求の最初の通知から30日経過、無効審判の最初の答弁書提出期間経過、のいずれかで不可 特許出願後は技術評価を請求できない(第12条第3項)。他人の請求は「されなかつたものとみなす」(第12条第7項) 実用新案法第12条第3項・第7項/特許法第46条の2第1項 #16

〔表3〕訂正・権利行使・審判・変更の対比(本シリーズ #11〜#29 で取得した原文に基づく。2026年9月参照)。特許法第46条第1項・第131条・第134条は要旨。

実用新案法第29条の2実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権又は専用実施権の侵害者等に対し、その権利を行使することができない。
実用新案法第37条第2項実用新案登録無効審判は、何人も請求することができる。ただし、実用新案登録が前項第二号に該当すること(その実用新案登録が第十一条第一項において準用する特許法第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は前項第五号に該当することを理由とするものは、当該実用新案登録に係る考案について実用新案登録を受ける権利を有する者に限り請求することができる。
実用新案法第10条第1項特許出願人は、その特許出願(特許法第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願(同法第四十四条第二項(同法第四十六条第六項において準用する場合を含む。)の規定により当該特許出願の時にしたものとみなされるものを含む。)を除く。)を実用新案登録出願に変更することができる。ただし、その特許出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三月を経過した後又はその特許出願の日から九年六月を経過した後は、この限りでない。
レベル2のまとめ

  • 入口の違い:保護対象は「物品の形状、構造又は組合せ」に限られ(実用新案法第1条・第3条第1項柱書)、「高度」の限定がなく(第2条第1項)、進歩性は「きわめて容易」(第3条第2項)、図面は必須(第5条第2項)。
  • 手続の違い:実体審査なし・基礎的要件のみ(第6条の2)、出願公開なし(第14条第3項の実用新案掲載公報のみ)、登録料は出願と同時(第32条第1項)、存続期間は出願の日から10年(第15条)。
  • 登録後の違い:出願審査請求の代わりに技術評価(第12条)、訂正は一回・2月(第14条の2)、評価書を提示して警告してからの権利行使(第29条の2)、無効確定時の賠償責任(第29条の3)、無効審判は何人も(第37条第2項)、異議申立て・拒絶査定不服審判・訂正審判はない。
  • 乗り換えの違い:特許出願→実用新案登録出願は「3月/9年6月」(第10条第1項)、実用新案登録出願→特許出願は「3年」(特許法第46条第1項)、登録に基づく特許出願は「3年+3つの除外事由」(特許法第46条の2第1項)。


LEVEL 3要件・例外・試験での問われ方

1. 試験で混同しやすい数値・期間

実用新案法には、似た数字が別の場面に出てきます。「何の起算日から」「何の期間か」を条文とセットで整理します。数値はすべて本シリーズ各記事で取得した原文に書かれているものです。

数値 場面(実用新案法) 起算点 根拠条文 特許法側の同じ数値・対応 詳しくは
14日
(在外者は2月)
責めに帰することができない理由による訂正の救済 理由がなくなった日(かつ期間経過後6月以内) 実用新案法第14条の2第6項 再審の請求期間の救済も同じ枠組み(特許法第173条第2項を実用新案法第45条第1項で準用) #13
責めに帰することができない理由による登録料納付の救済 理由がなくなった日(かつ延長期間経過後6月以内) 実用新案法第32条第4項 #15
30日 登録料納付期間の延長(請求により) 第32条第1項の期間 実用新案法第32条第3項(#15記事のまとめによる) 特許料:特許査定・審決の謄本送達日から30日以内に納付(特許法第108条第1項) #15
30日 実用新案登録に基づく特許出願ができなくなる(他人の技術評価請求の最初の通知から) 第13条第2項の最初の通知を受けた日 特許法第46条の2第1項第3号 ― #16
30日 無効審判の請求人が、登録に基づく特許出願の通知を受けたとき、承諾なしに請求を取り下げられる 第39条第5項の通知を受けた日 実用新案法第39条の2第3項 特許法第155条に相当する特則なし #27
30日 再審の請求期間 審決確定後に再審の理由を知った日 特許法第173条第1項(実用新案法第45条第1項で準用) 同じ #28
30日 審決取消訴訟の出訴期間 審決・決定の謄本送達日 特許法第178条第3項(実用新案法第47条第2項で準用) 同じ #29
1月 国内優先権主張の書面の提出期間(省令) 後の出願の日 実用新案法第8条第4項+省令(#7記事のまとめによる) ― #7 #8
2月 中身を直す訂正ができなくなる 最初の技術評価書の謄本の送達日 実用新案法第14条の2第1項第1号 訂正審判に相当する期限なし #13
2月 登録料追納による回復の申出 納付することができるようになった日(かつ追納期間経過後1年以内) 実用新案法第33条の2第1項 特許は「経済産業省令で定める期間内」(特許法第112条の2第1項) #15
3月 特許出願・意匠登録出願→実用新案登録出願の変更期限(拒絶査定基準) 最初の拒絶査定の謄本送達日 実用新案法第10条第1項・第2項 意匠登録出願→特許出願も3月(特許法第46条第2項、要旨) #11
3月 変更に伴うパリ条約優先権証明書類の提出期限の読替え 変更に係る実用新案登録出願の日(1年4月といずれか遅い日) 実用新案法第10条第4項 分割は特許法第44条第3項 #11
6月 登録料の追納期間 第32条第2項の期間(第4年以後分)経過後 実用新案法第33条第1項 同じ(特許法第112条第1項) #15
6月 裁定の対価の額についての訴えの出訴期間 裁定の謄本送達日 特許法第183条第2項(実用新案法第48条第2項で準用) 同じ #29
1年 国内優先権の主張ができる期間 先の出願の日 実用新案法第8条第1項第1号 特許法第41条(要旨) #7
1年4月 国内優先権の先の出願の取下げ擬制、主張の取下げ期限(省令) 先の出願の日 実用新案法第9条第1項〜第3項+省令 特許法第42条(要旨) #7
1年6月 ―(実用新案に出願公開はない) ― ― 出願公開(特許法第64条第1項) #10
3年 実用新案登録に基づく特許出願ができなくなる 実用新案登録出願の日 特許法第46条の2第1項第1号 実用新案登録出願→特許出願の変更も出願の日から3年(特許法第46条第1項、要旨) #16 #11
3年 登録料の一時納付分(第1年〜第3年分) ― 実用新案法第32条第1項 特許料も第1年〜第3年分(特許法第108条第1項) #15
3年 再審の請求ができなくなる 審決の確定日 特許法第173条第4項(実用新案法第45条第1項で準用) 同じ #28
3年・4年 不実施の裁定:継続して3年以上不実施/出願の日から4年経過していないときは不可 出願の日(4年) 実用新案法第21条第1項 特許法第83条第1項と同じ数値 #20
3年 ―(実用新案に出願審査請求はない) ― ― 出願審査の請求は出願の日から3年以内(特許法第48条の3第1項) #12
9年6月 特許出願・意匠登録出願→実用新案登録出願の変更期限(出願日基準) 元の特許出願・意匠登録出願の日 実用新案法第10条第1項・第2項 逆方向(→特許出願)は3年 #11
10年 実用新案権の存続期間 実用新案登録出願の日 実用新案法第15条 特許権は20年(特許法第67条第1項)、商標権は設定登録の日から10年(商標法第19条第1項) #14

〔表4〕混同しやすい数値・期間の一覧(各行の条文は本シリーズの該当記事で取得した原文に基づく。「省令」「要旨」「記事のまとめによる」と記した行は、条文原文ではなく該当記事の整理を引用したもの。2026年9月参照)。

根拠資料との照合:第32条第3項は、請求により第1年〜第3年分の登録料の納付期間を30日以内に限り延長できる規定です。国内優先権の主張書面は、第8条第4項と実用新案法施行規則第23条第2項で準用・読替えされた特許法施行規則第27条の4の2第3項により、実用新案登録出願の日から1月以内に提出します。1年の優先期間そのものとは別の手続期限です。実用新案法第8条・第32条/実用新案法施行規則第23条第2項。
flowchart LR
  A["起算点①:実用新案登録出願の日"] --> B["設定登録 → 実用新案掲載公報"]
  B --> C["起算点②:最初の技術評価書の謄本送達"]
  C -->|"2月"| D["× 経過後は第1項の訂正は原則不可
(削除訂正・期間救済は別)
(実用新案法第14条の2第1項第1号)"] A --> E["起算点③:他人の技術評価請求の最初の通知
(実用新案法第13条第2項)"] E -->|"30日"| F["× 経過後は登録に基づく特許出願ができない
(特許法第46条の2第1項第3号)"] A -->|"3年"| G["× 経過後は登録に基づく特許出願ができない
(特許法第46条の2第1項第1号)"] A -->|"10年"| H["○ 存続期間の満了まで(実用新案法第15条)"] style A fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F style C fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F style E fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F style D fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F style F fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F style G fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F style H fill:#E6F5F3,stroke:#1F8A83,color:#22303F

図は左右にスクロールできます。

凡例
起算点(①②③の3つ)
× その期間の経過後はできないこと
○ 権利が続く期間の終わり
2月矢印の上の語=期間の長さ

【図3】実用新案の登録後に走る「2月・30日・3年・10年」の分岐図。起算点が「①出願の日」「②評価書謄本の送達日」「③最初の通知を受けた日」で異なる点に注意(実用新案法第14条の2、第15条、特許法第46条の2)。日数・月数・年数は条文のとおり(2026年9月時点)。※矢印の長さは期間の長さを表さない(時間軸は縮尺なし)。※説明の都合上、期間の延長・救済(実用新案法第14条の2第5項・第6項)は省略した。

2. 準用の地図 ― 実用新案法のどの条が特許法のどこを借りているか

実用新案法は条文数が少ないぶん、多くの場面で特許法を「準用」します。本シリーズで原文を取得した準用条文を、実用新案法の条ごとにまとめます。

実用新案法 準用する特許法の条文 準用先(何に当てはめるか) 読替え・除外の要点 詳しくは
第2条の5第2項 特許法第7条第1項〜第3項、第9条(実用新案法第2条の2第4項第1号の文言による) 手続(行為能力・代理権) ― #9
第2条の5第3項 特許法第25条(実用新案法第37条第1項第2号の文言による) 外国人の権利の享有 違反は無効理由(第37条第1項第2号) #25
第11条第1項 特許法第30条、第38条、第43条〜第44条(第43条、第43条の2、第43条の3、第44条) 実用新案登録出願 分割の第44条第1項第2号・第3号(査定基準)は実用新案では使う場面がない。分割と同時に第1年〜第3年分の登録料納付(第32条第1項) #8
第11条第2項 特許法第33条、第34条第1項・第2項・第4項〜第7項 実用新案登録を受ける権利 第34条第3項は準用していない #8
第11条第3項 特許法第35条(仮専用実施権に係る部分を除く) 従業者等がした考案(職務考案) 仮専用実施権は実用新案にない制度 #8
第26条 特許法第69条第1項・第2項、第70条〜第71条の2、第73条、第76条、第79条、第79条の2、第81条、第82条、第97条第1項、第98条第1項第1号・第2項 実用新案権 第69条第3項(医薬の調剤)は準用なし。第80条(中用権)は実用新案法第20条が直接定める #21
第30条 特許法第104条の2〜第105条、第105条の2の11〜第106条 実用新案権・専用実施権の侵害 第104条の4に読替え。第103条(過失の推定)・第104条(生産方法の推定)は準用なし #24
第41条 特許法第125条、第132条〜第133条の2、第135条〜第154条、第156条第1項・第3項・第4項、第157条、第167条、第167条の2、第169条第1項・第2項・第5項・第6項、第170条 審判 第156条第1項「特許無効審判以外の審判においては、事件が」→「事件が」と読替え #27
第45条第1項・第2項 特許法第173条、第174条第3項・第5項、第176条(第1項)/特許法第4条(第2項) 再審/第173条第1項の期間 第174条第3項の参照条文を実用新案法第38条第1項等に読替え #28
第47条第2項 特許法第178条第2項〜第6項、第179条〜第182条の2 審決等に対する訴え 被告は原則特許庁長官、無効審判系は相手方当事者(第179条) #29
第48条第2項 特許法第183条第2項、第184条 裁定の対価の額についての訴え 出訴期間6月 #29

〔表5〕準用の地図(主要な準用条文)。各行の準用条文は本シリーズの該当記事で取得した実用新案法の原文に基づく(2026年9月参照)。第2条の5も今回原文を照合。表では主要部分を抜粋し、直後に全4項の準用先を記載。

根拠資料との照合:第2条の5の準用は四つの項です。第1項=特許法第3条・第5条(期間・期日)、第2項=第7条〜第9条・第11条〜第16条・第18条の2〜第24条(手続能力・代理・補正不能な手続等)、第3項=第25条(外国人の権利享有)、第4項=第26条(条約の効力)。表中の抜粋二つだけで準用全体を表しているわけではありません。実用新案法第2条の5全文。
実用新案法 準用する特許法の条文 準用先 詳しくは
第4条の2第3項 特許法第33条第2項・第3項、第34条の3第4項〜第6項・第8項〜第10項、第34条の5 仮通常実施権(変更出願は実用新案法第10条に読替え) #4
第12条第5項 特許法第47条第2項 実用新案技術評価書の作成(審査官の資格) #12
第14条第4項 特許法第64条第3項 要約書の事項の公報掲載 #10
第14条の2第5項 特許法第4条 第14条の2第1項第1号の期間(2月)の延長 #13
第14条の2第13項 特許法第127条、第132条第3項 訂正(専用実施権者・質権者の承諾、共有者全員) #13
第18条第3項 特許法第77条第3項〜第5項、第97条第2項、第98条第1項第2号・第2項 専用実施権 #19
第19条第3項 特許法第73条第1項、第97条第3項、第99条 通常実施権 #19
第21条第3項 特許法第84条〜第91条の2 不実施の裁定 #20
第22条第7項・第23条第3項 特許法第84条、第84条の2、第85条第1項、第86条〜第91条の2 利用・抵触の裁定/公共の利益の裁定 #20
第25条第2項・第3項 特許法第96条/第98条第1項第3号・第2項 質権(物上代位/登録の効果) #19
第39条の2第4項 特許法第4条 第39条の2第3項の期間(30日)の延長(「特許庁長官」→「審判長」) #27
第42条第2項 民事訴訟法第338条第1項・第2項、第339条 再審の事由 #28

〔表6〕準用の地図(個別の条・項に置かれた準用)。本シリーズ各記事で取得した原文に基づく(2026年9月参照)。

flowchart LR
  subgraph J["実用新案法(借りる側)"]
    direction TB
    J1["第11条:出願・権利・職務考案"]
    J2["第26条:実用新案権の効力"]
    J3["第30条:侵害訴訟"]
    J4["第41条:審判"]
    J5["第45条:再審"]
    J6["第47条・第48条:訴え"]
  end
  subgraph T["特許法(貸す側)"]
    direction TB
    T1["第30条・第38条・第43条〜第44条・第33条〜第35条"]
    T2["第69条〜第71条の2・第73条・第76条・第79条〜第82条・第97条・第98条"]
    T3["第104条の2〜第105条・第105条の2の11〜第106条"]
    T4["第125条・第132条〜第154条・第156条・第157条・第167条〜第170条"]
    T5["第173条・第174条・第176条"]
    T6["第178条〜第182条の2・第183条・第184条"]
  end
  subgraph S["準用ではない(実用新案法が自前で書いている条文)"]
    direction TB
    X["第8条・第9条(国内優先権)、第10条(変更)、第12条・第13条(技術評価)、第14条の2(訂正)、第20条(中用権)、第29条〜第29条の3、第37条〜第40条(審判)"]
  end
  J1 --> T1
  J2 --> T2
  J3 --> T3
  J4 --> T4
  J5 --> T5
  J6 --> T6
  style J1 fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F
  style J2 fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F
  style J3 fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F
  style J4 fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F
  style J5 fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F
  style J6 fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F
  style T1 fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F
  style T2 fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F
  style T3 fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F
  style T4 fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F
  style T5 fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F
  style T6 fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F
  style X fill:#E6F5F3,stroke:#1F8A83,color:#22303F

図は左右にスクロールできます。

凡例
実用新案法の条(借りる側)
特許法の条群(貸す側)
準用ではない(実用新案法が自前で書いている条文)
矢印=準用する

【図4】準用の地図の全体像。左の実用新案法の条が、右の特許法の条群を借りる。矢印は交差しないように左右を1対1で対応させた。下の枠は準用ではなく実用新案法が自前で書いている条文(国内優先権・変更・技術評価・訂正・中用権・権利行使の要件・審判手続)。各条群の正確な範囲は〔表5〕〔表6〕を参照。※説明の都合上、〔表6〕の個別の項に置かれた準用(第4条の2第3項、第12条第5項、第14条第4項ほか)は図から省略した。

3. 「ない制度」「自前の条文」「準用」の三分類

分類 該当するもの 根拠
実用新案法にない制度 実体審査、出願公開、出願審査の請求、補償金請求権、特許異議の申立て、拒絶査定不服審判、訂正審判、無効審判の中の訂正の請求、存続期間の延長登録、仮専用実施権、外国語書面出願、方法の考案 #9 #10 #12 #13 #14 #25 #29 の各対比表(実用新案法第14条第3項、第15条、第37条、第47条第1項の文言と、特許法側の条文の不存在から)
実用新案法が自前で書く条文 国内優先権(第8条・第9条)、出願の変更(第10条)、技術評価(第12条・第13条)、訂正(第14条の2・第14条の3)、中用権(第20条)、裁定(第21条〜第23条)、権利行使の要件・責任(第29条の2・第29条の3)、無効審判の請求書・答弁書・取下げ・訴訟との関係(第37条〜第40条)、再審(第42条〜第44条) 各条の原文(#7 #11 #12 #13 #19 #20 #23 #25〜#28)
特許法を準用する条文 第2条の5、第11条、第26条、第30条、第41条、第45条、第47条第2項、第48条第2項ほか〔表6〕 〔表5〕〔表6〕

〔表7〕制度の有無による三分類。「ない制度」の行は、各記事の対比表で「なし」と整理されたものを集めたもので、条文の不存在を本記事作成者が整理した結果である。

4. 試験での問われ方

試験種別 問われ方の傾向(本記事作成者の整理) 気をつける点
短答式 「実用新案登録出願について出願公開がされる」「無効審判は利害関係人に限り請求できる」「訂正は何回でもできる」のように、特許法の制度を実用新案法に置き換えた正誤。数値(3月/9年6月/3年/2月/30日)の入れ替え 〔表1〕〜〔表4〕の「実用新案法」列を条文番号とセットで。起算点(出願の日/謄本送達日/通知を受けた日)を混ぜない
論文式 実用新案登録出願と特許出願の選択、変更・登録に基づく特許出願の可否、技術評価書の提示と権利行使、無効審決確定後の責任を、事例の時系列に当てはめる 「実用新案法第11条第1項において準用する特許法第38条」のように準用の書き方を正確に(〔表5〕〔表6〕)
口述 「実用新案と特許の違いを述べよ」「なぜ評価書の提示が必要か」「実用新案法にない審判は」の即答 「無審査登録」→「技術評価」→「第29条の2・第29条の3」の流れで説明できるように

〔表8〕試験での問われ方の整理。傾向の記述は本記事作成者の整理であり、出題を保証するものではありません。

根拠資料との照合:問5の正解は4、問6は3、問16は3です。問5の肢ニは答弁書提出期間後の請求項削除、肢ホは変更・分割を経た特許出願からの再変更を扱います。問6の肢3は技術評価書が未作成でも侵害罪の処罰を妨げない点、問16の肢4は自ら技術評価を請求した権利者について特許法第46条の2第1項第2号が働く点を確認する問題です。 令和8年度の問題/公式解答。肢ごとの説明は条文との照合によるもので、公式解答が示す正解番号と区別しています。

5. シリーズ30本の一覧

本シリーズの記事を群ごとに並べます。番号(#)は早見表の「詳しくは」列と対応します。

A. 登録要件・考案(実体規定)

#1 実用新案法第1条・第2条 考案の定義・「物品の形状、構造又は組合せ」
#2 実用新案法第3条 登録要件(きわめて容易)
#3 実用新案法第3条の2 拡大先願
#4 実用新案法第4条・第4条の2 登録を受けることができない考案・仮通常実施権
#5 実用新案法第5条・第6条 出願書類(図面必須)・記載要件・単一性
#6 実用新案法第7条 先願
#7 実用新案法第8条・第9条 国内優先権
#8 実用新案法第11条 特許法の準用(出願編)

B. 出願・登録・評価の手続

#9 実用新案法第6条の2・第2条の2・第2条の3 基礎的要件審査・補正命令・却下
#10 実用新案法第14条 設定の登録・実用新案掲載公報
#11 実用新案法第10条 出願の変更
#12 実用新案法第12条・第13条 実用新案技術評価
#13 実用新案法第14条の2 明細書等の訂正
#14 実用新案法第15条 存続期間
#15 実用新案法第31条〜第33条の2 登録料
#16 特許法第46条の2 実用新案登録に基づく特許出願

C. 実用新案権の効力・実施権・侵害

#17 実用新案法第16条・第17条 効力・他人の権利との関係
#18 実用新案法第17条の2 移転の特例
#19 実用新案法第18条〜第20条・第24条・第25条 専用実施権・通常実施権・中用権・質権
#20 実用新案法第21条〜第23条 裁定実施権
#21 実用新案法第26条 特許法の準用(権利編)
#22 実用新案法第27条・第28条 差止請求権・侵害とみなす行為
#23 実用新案法第29条の2・第29条の3 技術評価書の提示・権利者等の責任
#24 実用新案法第29条・第30条 損害額の推定・特許法の準用

D. 審判・訴訟

#25 実用新案法第37条 実用新案登録無効審判
#26 実用新案法第38条〜第39条 審判の請求・請求書の補正・答弁書
#27 実用新案法第40条・第41条 訴訟との関係・審判規定の準用
#28 実用新案法第42条〜第45条 再審
#29 実用新案法第46条〜第48条の2 審決等に対する訴え・対価の額の訴え
#30 総まとめ 特許法と実用新案法の違い一覧(本記事)

シリーズ30本の一覧(記事名のチップ)。記事名は各記事の見出しを短くしたもの。

レベル3のまとめ

  • 数値は「起算点」とセットで覚える。出願の日から:10年(第15条)、9年6月(第10条第1項)、3年(特許法第46条の2第1項第1号)、4年(第21条第1項)。謄本送達日から:3月(第10条第1項)、2月(第14条の2第1項第1号)、30日(特許法第178条第3項の準用)。通知を受けた日から:30日(特許法第46条の2第1項第3号、実用新案法第39条の2第3項)。
  • 準用の地図:第11条(出願・権利・職務考案)、第26条(権利の効力)、第30条(侵害訴訟)、第41条(審判)、第45条(再審)、第47条・第48条(訴え)。準用「されていない」もの(特許法第34条第3項、第69条第3項、第80条、第103条、第104条)を区別する。
  • 実用新案法にない制度(実体審査・出願公開・審査請求・異議申立て・拒絶査定不服審判・訂正審判・延長登録・仮専用実施権)と、自前で書いている制度(技術評価・訂正・評価書提示・無効確定時の責任)を対にして押さえる。
  • 令和8年度短答 問5・問6・問16が実用新案法に関係する。正解は特許庁公表の解答PDFで確認する。

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