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小学生でも分かる商標法|商標法第6条 一商標一出願 ― 申込書1枚に目じるしは1つ、「何に使うか」はグループ分けにそって書く

小学生でもわかる商標法 第09回「一商標一出願」。商標と商品・役務のまとめ方。

小学生でも分かる商標法 / A. 登録要件・商標 #9

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商標(しょうひょう)の申込みは、目じるし1つごとに行います。そして「何に使うか」を、決められたグループ分け(区分)にそって書きます。ただし、このグループ分けは整理のためのもので、「にている・にていない」を決めるものではありません。この記事では、商標法第6条の3つの項を、イメージ→条文→試験レベルの順に上っていきます。

条文:商標法第6条第1項〜第3項審査基準:商標審査基準〔改訂第17版〕 第5 第6条(一商標一出願)参照時点:2026年9月
目次

LEVEL 1イメージでつかむ

申込書1枚に、目じるしは1つ

パン屋の「ミナトベーカリー」は、お店の目じるし(商標=しょうひょう)を国に登録(とうろく)したいと思いました。登録の申込みは、特許庁(とっきょちょう)という役所に申込書を出して行います。

このとき、きまりが2つあります。

① 申込書1枚に書ける目じるしは1つだけ② その目じるしを「何に使うか」(商品やサービス)を書く。1つでも、2つ以上でもよい

「ほしぞらパン」と「つきよのパン」の2つを登録したいなら、申込書は2枚に分けます。1枚にまとめて書くことはできません。いっぽう、「ほしぞらパン」という1つの目じるしを、パンにもジャムにも使いたいときは、1枚の申込書に「パン、ジャム」と書けます。

○ よい申込書 目じるし(1つ) ほしぞらパン 何に使うか(1つでも、2つ以上でもよい) パン ジャム 目じるしは1つ。 使うものは いくつ書いてもよい。 × だめな申込書 目じるし(2つ書いてしまった) ほしぞらパン つきよのパン 何に使うか:パン 目じるしが2つあるときは、 申込書を2枚に分けて出す。

図は左右にスクロールできます。

  • 青緑の枠:よい書き方(○)
  • 赤の枠:だめな書き方(×)
  • 橙の箱:申込書に書いた目じるし(商標)
  • 白い箱:何に使うか(商品・役務)

【図1】申込書1枚に目じるしは1つ。「ミナトベーカリー」「ほしぞらパン」「つきよのパン」は架空の名前。申込書の形は大きく簡単にして描いている(本記事作成者が模式化したもの)。

「何に使うか」は、グループ分けの番号にそって書く

世の中の商品やサービスは数えきれないほどあります。そこで、あらかじめ番号つきのグループ(区分=くぶん)に分けてあります。申込書には、このグループの番号にそって「何に使うか」を書きます。番号とあっていない書き方や、何のことか はっきりしない書き方をすると、特許庁から「直してください」という知らせがきます。

グループの番号は「整理用」。にているかどうかは別の話

ここが一番まちがえやすいところです。図書室を思いうかべてください。図書室の本は、たなの番号で整理されています。でも、たなの番号は本をさがしやすくするためのものです。「同じたなの本は中身がにている」「ちがうたなの本は中身がにていない」とは決まっていません。

図書室のたとえ(たなの番号=グループ分けの番号) たな1(大きい本のたな) 星の図かん (大) 料理の本 (大) たな2(小さい本のたな) 星のポケット 図かん(小) なぞなぞの本 (小) ちがうたな でも、中身はにている ≠ 同じたな でも、中身はにていない(星と料理)

図は左右にスクロールできます。

  • 橙の枠:たな1(同じたなに入っている本)
  • 青緑の枠:たな2(ちがうたなに入っている本)
  • 藍の線とふきだし:ちがうたな でも、中身はにている
  • 赤の破線と「≠」:同じたな でも、中身はにていない

【図2】たなの番号は整理のためのもの。中身がにているかどうかは、たなの番号では決まらない。図書室と本は架空のたとえで、実際の商品・サービスのグループ分け(区分)を表したものではない(本記事作成者が模式化したもの)。

商標の世界でも同じです。グループの番号(区分)が同じでも「にていない」商品があります。番号がちがっても「にている」商品やサービスがあります。法律は、このことをわざわざ1つの項(こう)を使って書いています。

レベル1のまとめ
  • 申込書1枚に書ける目じるしは1つ。目じるしが2つなら申込書も2枚。
  • 「何に使うか」(商品やサービス)は、1つでも2つ以上でも書ける。
  • 「何に使うか」は、決められたグループ分け(区分)の番号にそって、はっきり書く。
  • グループの番号は整理用。「にている・にていない」を決めるものではない。

※ 「はっきり書く」の中身、番号とあっていないときに どう直せるか、直さないとどうなるかは、正確には条件があります(→レベル3)。「にている」かどうかを実際にどう見分けるかも、レベル3でふれます。

LEVEL 2条文の骨格

条文を読んでみよう

商標法第6条(一商標一出願)(原文) 商標登録出願は、商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を指定して、商標ごとにしなければならない。
2 前項の指定は、政令で定める商品及び役務の区分に従つてしなければならない。
3 前項の商品及び役務の区分は、商品又は役務の類似の範囲を定めるものではない。
出典:e-Gov法令検索(法令ID 334AC0000000127)、2026年9月参照。

「役務(えきむ)」はサービスのことです。「指定して」とあるので、出願のときに書いた商品・役務は「指定商品」「指定役務」と呼ばれます。

部品文言(第1項)意味
何の手続か「商標登録出願は」商標を登録してもらうための申込み。
何を書くか「商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を指定して」その商標を使う商品・サービスを、1つ、または2つ以上、書く。数の上限は条文にない。
どの単位で「商標ごとに」1つの出願に入れられる商標は1つ。商標が2つなら出願も2つ。
強さ「しなければならない」義務。守らないと、登録を断られる理由(拒絶理由)になる(→レベル3)。

〔表1〕商標法第6条第1項の部品分解。

項役割ひとことで
第1項出願の単位を決める。商標は1つ、指定する商品・役務は1つ以上。「1出願=1商標」
第2項商品・役務の指定のしかたを決める。政令で定める区分に従う。「区分にそって書く」
第3項区分の性格を決める。区分は類似の範囲を定めるものではない。「区分≠類似の範囲」

〔表2〕商標法第6条の項ごとの役割。

「政令で定める区分」はどこに書いてあるか

第2項の「政令」は商標法施行令です。商標法施行令第2条は、区分を別表で定め、各区分にどんな商品・役務が入るかは、国際的な分類に即して経済産業省令(商標法施行規則)で定める、としています。

商標法施行令第2条(商品及び役務の区分)(原文) 商標法第六条第二項の政令で定める商品及び役務の区分は、別表のとおりとし、各区分に属する商品又は役務は、千九百六十七年七月十四日にストックホルムで及び千九百七十七年五月十三日にジュネーヴで改正され並びに千九百七十九年十月二日に修正された標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関する千九百五十七年六月十五日のニース協定第一条に規定する国際分類に即して、経済産業省令で定める。
出典:e-Gov法令検索(法令ID 335CO0000000019)、2026年9月参照。
商標法施行規則第6条(商品及び役務の区分)(原文) 商標法施行令(昭和三十五年政令第十九号)第二条の規定による商品及び役務の区分(以下「商品及び役務の区分」という。)に属する商品又は役務は、別表のとおりとする。
出典:e-Gov法令検索(法令ID 335M50000400013)、2026年9月参照。
法令の階層(区分を定めるルート) 商標法第6条第2項 「政令で定める商品及び役務の区分に従つて」 商標法施行令第2条・別表 区分そのもの(第1類〜第45類)を定める 各区分の中身は省令にゆだねる 商標法施行規則第6条・別表 各区分に属する商品・役務を定める (審査基準では「省令別表」と呼ばれている) ニース協定第1条の国際分類 省令は国際分類「に即して」 定める(施行令第2条) 別のものさし(類似かどうか) 商標法第6条第3項 区分は類似の範囲を定めない 類似商品・役務審査基準 特許庁の審査の統一的基準 (法令ではない。→レベル3) 左の列=「どの区分に書くか」のルール。右の上下=「類似かどうか」は区分とは別に判断される。

図は左右にスクロールできます。

  • 青緑の枠:区分を定める法令(法律→政令→省令)
  • 藍の枠:類似かどうかを判断するときに使うもの
  • 白い枠:条約にもとづく国際分類
  • 実線の矢印:上の法令が下の法令にゆだねる関係
  • 破線の矢印:国際分類「に即して」定めるという関係

【図3】区分を定める法令の階層と、類似の判断との関係。商標法第6条、商標法施行令第2条、商標法施行規則第6条の条文を整理して本記事作成者が図にしたもの。

どこに何が書いてあるか形式
商標法第6条第2項指定は「政令で定める商品及び役務の区分」に従う。法律
商標法施行令第2条・別表区分そのもの。別表には第1類から第45類までが並ぶ。名称を見ると、第1類〜第34類が商品、第35類〜第45類が役務の区分になっている。政令
商標法施行規則第6条・別表各区分に属する商品・役務。ニース協定第1条に規定する国際分類に即して定められる(商標法施行令第2条)。経済産業省令

〔表3〕区分についての法律・政令・省令の分担。別表の内容は e-Gov(2026年9月参照)による。各類の名称は別表でご確認ください。

架空の例で書き方を見る

架空の出版社「ほしぞら出版」が、商標「ほしぞら」を、雑誌と、雑誌にのせる広告のサービスに使いたいとします。商標は1つなので、出願は1つでかまいません(第1項)。ただし、商品・役務は区分ごとに分けて書きます(第2項)。商標審査基準は、区分に従っていない例と直し方として、次の例を挙げています。

出願時の書き方(区分に従っていない例)補正後の書き方
第16類「雑誌, 雑誌による広告」第16類「雑誌」、第35類「雑誌による広告」
第9類「時計」第14類「時計」
第36類「職業のあっせん」第35類「職業のあっせん」

〔表4〕区分に従っていない表示と補正の例。出典:商標審査基準〔改訂第17版〕 第5 第6条(一商標一出願)3.の例示(2026年9月参照)。「ほしぞら出版」「ほしぞら」は架空の名前で、審査基準の例示を当てはめて説明したもの。

出願から審査までの流れの中の第6条

flowchart TB
  A["商標登録出願
商標は1つ、指定商品・指定役務は1つ以上"] --> B["審査官による審査"] B --> C{"第6条第1項・第2項の
要件を満たすか"} C -- "満たす" --> D["ほかの拒絶理由の審査へ
第3条、第4条など"] C -- "満たさない" --> E["拒絶理由の通知
第15条第3号、第15条の2"] E --> F["出願人の対応
補正、意見書など"] F --> G{"要件を満たすようになったか"} G -- "はい" --> D G -- "いいえ" --> H["拒絶をすべき旨の査定
第15条"] style D fill:#E6F5F3,stroke:#1F8A83,color:#22303F style H fill:#FDEDED,stroke:#B23A3A,color:#22303F

図は左右にスクロールできます。

  • 緑の箱:第6条の要件を満たし、審査が先に進む結論
  • 赤の箱:拒絶をすべき旨の査定になる結論

【図4】審査の流れの中での商標法第6条の位置。商標法第6条、第15条第3号、第15条の2を本記事作成者がフロー化したもの(手続補正指示などの細部は→レベル3)。

レベル2のまとめ
  • 第1項:出願は商標ごと。指定する商品・役務は1つ以上。
  • 第2項:指定は政令で定める区分に従う。区分は商標法施行令第2条・別表(第1類〜第45類)、各区分の中身は商標法施行規則第6条・別表。
  • 第3項:区分は類似の範囲を定めるものではない。
  • 第1項・第2項を満たさないと拒絶理由になる(商標法第15条第3号)。

LEVEL 3要件・例外・試験での問われ方

立法趣旨(逐条解説〔第22版〕):特許庁編『工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第22版〕』(令和4年10月)は、第6条を、商標登録出願に当たっての原則を規定したものと位置づけ、各項を次のように説明しています。
第1項は、1つの商標登録出願で複数の商品又は役務を指定することができること、及び1つの商標登録出願には1つの商標しか出願できないこと(すなわち一商標一出願の原則)を定めたもの。
第2項は、商品又は役務の指定の方法を定めたもの。平成8年の一部改正前は第1項において、政令で定める商品及び役務の区分内において指定しなければならないとする一出願一区分の原則を規定し、その区分内であれば複数の商品又は役務を指定してもよいとしていたが、同改正で商標法条約第3条(5)の規定に対応して第2項を新設し、第1項で指定した商品又は役務は政令で定める商品及び役務の区分に従って区分ごとに区分けされなければならないこととした。すなわち、区分ごとに区分けすれば1出願で多区分にわたる商品又は役務を指定できる一出願多区分制を定めたもの。
第3項は、旧法でとかく誤解を招きやすかった、政令で定める商品及び役務の区分と商品及び役務の類似の範囲とは別のものであることを宣明した解釈規定。したがって、類似商品又は類似役務であって、それが商品及び役務の区分を異にしているような場合も考えられる。このことは、特に平成3年の一部改正において商品と役務の類似があることを宣言していること(現行の商標法第2条第6項)からも明らかである。
また〔字句の解釈〕では、商品又は役務の指定の仕方によって効果が異なってくること、たとえば一度に多数の商品又は役務を指定商品・指定役務とすれば1つの商標権となるが、時間的に先後の関係でその商品又は役務を分けて出願すると別々の商標権となることを挙げています。
逐条解説〔第22版〕1570頁〜1571頁。商標法条約第6条は、複数の類の商品・サービスを一つの出願に含めたときは一つの登録とする旨を定めています。WIPO掲載・商標法条約正文第6条。

1. 審査基準の整理 ― 第6条第1項違反・第2項違反・両方違反

商標審査基準〔改訂第17版〕 第5 第6条(一商標一出願)は、1.〜6.の6項目からなります。要旨は次のとおりです(原文は特許庁サイトで確認してください)。

項目内容(要旨)根拠となる項
1. 一商標一出願について複数の商標を出願したと認められる場合は、第6条第1項の要件を具備しないものとする。第1項
2.(1) 表示が不明確指定商品・指定役務の記載は、省令別表(商標法施行規則第6条)及び類似商品・役務審査基準に掲載されている表示など、内容及び範囲が明確に把握できるものでなければならない。不明確なときは第6条第1項の要件を具備しないものとして拒絶の理由を通知する。第1項
2.(2) 表示中の登録商標指定商品・指定役務の表示中に、特定の商品又は役務を表すものとして登録商標が用いられている場合は、第6条第1項の要件を具備しないものとして拒絶の理由を通知する。第1項
3. 区分に従っていない表示は明確だが、政令(商標法施行令第2条)で定める区分に従っていないときは、第6条第2項の要件を具備しないものとして拒絶の理由を通知する。第2項
4. 不明確かつ区分も判断できない表示が不明確で、かつ、区分に従ったものと判断できないときは、第6条第1項及び第2項の要件を具備しないものとして拒絶の理由を通知する。第1項・第2項
5. 手続補正指示2.(1)及び4.の拒絶理由の通知に対し、出願人が商品・役務の説明等を内容とする意見書又は物件提出書を提出した場合は、直ちに拒絶をせず、補正案を示すなどして適切な表示に補正すべきことを指示する(審査官名による手続補正指示)。何らの対応もしないとき又は的確な補正等を行わないときは、先の拒絶理由に基づき拒絶する。―
6. 小売等役務小売等役務とは、小売又は卸売の業務において行われる総合的なサービス活動(商品の品揃え、陳列、接客サービス等といった最終的に商品の販売により収益をあげるもの)をいう。小売業の消費者に対する商品の販売行為、卸売業の小売商人に対する商品の販売行為は含まれない。―

〔表5〕商標審査基準〔改訂第17版〕 第5 第6条(一商標一出願)の構成(要旨)。特許庁サイト掲載PDF(31_6.pdf)、2026年9月参照。

ポイント:「指定商品・指定役務の表示が不明確」は、第2項(区分)ではなく第1項の問題として整理されています。第1項の「商品又は役務を指定して」は、内容・範囲が明確に把握できる指定を求めている、というのが審査基準の整理です。条文の文言そのものに「明確」という語はないので、これは審査基準の取扱いとして押さえます。
審査基準の項目例示されている表示どこが問題か(審査基準の整理)
2.(1) 第1項違反第29類「食肉,その他本類に属する商品」
第39類「貨物車による輸送, その他本類に属する役務」
表示が不明確。
3. 第2項違反第9類「時計」/第36類「職業のあっせん」/第16類「雑誌, 雑誌による広告」表示は明確だが区分に従っていない(補正例は〔表4〕)。
4. 第1項及び第2項違反第10類「衛生マスク及びその類似商品」
第40類「廃棄物の処理及びその関連役務」
第7類「機械器具」/第37類「機械器具の貸与」
第25類「百貨店」/第42類「総合レンタル店」
第12類「乗物その他移動用の装置」
第32類「アルコールを含有しない飲料及びビール」
表示が不明確で、かつ、区分に従ったものと判断できない。

〔表6〕商標審査基準 第5 第6条 2.〜4.の例示。出典は〔表5〕と同じ。例示の趣旨の詳しい説明は審査基準の原文でご確認ください。

読み取れること(本記事作成者の整理):4.の例示のうち第12類「乗物その他移動用の装置」、第32類「アルコールを含有しない飲料及びビール」は、商標法施行令別表の区分の名称と同じ文言です。区分の名称をそのまま指定商品として書いても、明確な指定とは扱われないことが、この例示から分かります。
flowchart TB
  S["出願された願書を見る"] --> Q1{"複数の商標を出願したと
認められるか"} Q1 -- "はい" --> N1["第6条第1項の要件を具備しない
審査基準1."] Q1 -- "いいえ" --> Q2{"指定商品・指定役務の
表示は内容と範囲が
明確か"} Q2 -- "明確" --> Q3{"政令で定める区分に
従っているか"} Q3 -- "従っている" --> OK["第6条の要件を満たす"] Q3 -- "従っていない" --> N2["第6条第2項の要件を具備しない
審査基準3."] Q2 -- "不明確" --> Q4{"区分に従ったものと
判断できるか"} Q4 -- "判断できる" --> N3["第6条第1項の要件を具備しない
審査基準2.(1)"] Q4 -- "判断できない" --> N4["第6条第1項及び第2項の
要件を具備しない
審査基準4."] Q2 -- "表示中に登録商標を使用" --> N5["第6条第1項の要件を具備しない
審査基準2.(2)"] style OK fill:#E6F5F3,stroke:#1F8A83,color:#22303F style N1 fill:#FDEDED,stroke:#B23A3A,color:#22303F style N2 fill:#FDEDED,stroke:#B23A3A,color:#22303F style N3 fill:#FDEDED,stroke:#B23A3A,color:#22303F style N4 fill:#FDEDED,stroke:#B23A3A,color:#22303F style N5 fill:#FDEDED,stroke:#B23A3A,color:#22303F

図は左右にスクロールできます。

  • 緑の箱:第6条の要件を満たすという結論
  • 赤の箱:第6条の要件を具備しないとして拒絶の理由が通知される結論

【図5】第6条第1項・第2項のどちらの違反になるかの判断手順。商標審査基準 第5 第6条 1.〜4.を本記事作成者がフロー化したもの(審査基準がこの順序で判断すると定めているわけではない)。

具体例として、商標審査便覧25.71・2(2)は、国際商標登録出願に複数の商標を一つの出願としていることが明確に記載されている場合を挙げています。英国のシリーズマークを基礎とする国際商標登録出願がその例です。単に複数の文字や図形を組み合わせた一つの商標である場合と、独立した複数商標を出願する場合を区別します。出典:商標審査便覧25.71・2(2)。

2. 第3項 ― 区分と類似は別のものさし

第3項は、条文上の帰結として次の2つを意味します。

同じ区分に属していても、類似するとは限らない異なる区分に属していても、類似することがある(商品と役務の間でも)

商品・役務が類似するかどうかは、商標法第4条第1項第11号などで問題になります。商標審査基準(第3 十 第4条第1項第11号)は、商品又は役務の類否を、同一又は類似の商標を使用するときに同一営業主の製造・販売又は提供に係る商品又は役務と誤認されるおそれがあると認められる関係にあるかにより判断するとし、商品の類否・役務の類否・商品役務間の類否のいずれについても、原則として、類似商品・役務審査基準によるものとする。としています。

類似かどうか(第4条第1項第11号などで問題になる) 類似する 類似しない 区分が同じ (第6条第2項) 区分が異なる (第6条第2項) ① 同じ区分で、類似 あり得る ② 同じ区分でも、非類似 あり得る 「同じ区分=類似」は誤り ③ 違う区分でも、類似 あり得る(商品と役務の間でも) 「違う区分=非類似」は誤り ④ 違う区分で、非類似 あり得る 4つのマスがすべてあり得る = 区分は類似の範囲を定めるものではない(第6条第3項)

図は左右にスクロールできます。

  • 青緑の枠:区分が同じか異なるか(第6条第2項)の軸
  • 藍の枠:類似するかしないかの軸
  • 赤の枠:区分と類否が一致しない組合せ(②③)。第6条第3項が示すところ
  • 白い枠:区分と類否が一致する組合せ(①④)

【図6】区分と類似の関係の4マス図。商標法第6条第3項の条文上の帰結を本記事作成者が模式化したもの。各マスに当たる具体的な商品・役務の組合せは、類似商品・役務審査基準の類似群コードを見比べて確認する。

3. 類似商品・役務審査基準と類似群コード

特許庁は「類似商品・役務審査基準」を公表しています。特許庁サイトの説明によれば、これは、類似関係にあると推定する商品又は役務をグルーピングし、各グループに検索のための特定のコードを付与したもので、審査官の統一的基準として用いられています。このコードが、実務上「類似群コード」と呼ばれるものです。凡例では、例えば「造花」(20F01 21E01)と「造花の花輪」(20F01)のように、類似群コードを共通にするものは互いに類似するものと推定する、と説明されています。

比べる点商品及び役務の区分類似群コード
根拠商標法第6条第2項 → 商標法施行令第2条・別表 → 商標法施行規則第6条・別表(法令)類似商品・役務審査基準(特許庁の審査の基準。法令ではない)
役割出願のときに商品・役務を指定する枠。第1類〜第45類。類似関係にあると推定する商品・役務のグループにつけた検索用のコード。
類似との関係類似の範囲を定めるものではない(商標法第6条第3項)。同じコードなら類似と「推定」。あくまで推定である点に注意。
願書への記載記載する(指定商品・指定役務とともに)。出願人が願書に書くものではない(審査で用いられる)。※本記事作成者の整理
版別表は改正されることがある。〔国際分類第13-2026版対応〕が令和8年1月1日から適用(特許庁サイト、2026年2月20日更新のページで確認)。

〔表7〕区分と類似群コードの比較。類似商品・役務審査基準の説明は特許庁サイト「類似商品・役務審査基準〔国際分類第13-2026版対応〕」のページ及び同基準の凡例(2026年9月参照)による。

類似群コードは、商品の生産・販売部門、原材料・品質、役務の提供手段・目的・場所などに共通性のあるグループへ付した数字と英字の5桁のコードです。特許庁の例では、同じ第16類でも書籍(26A01)と鉛筆(25B01)は非類似と推定され、区分の違う第14類の宝石箱と第20類の家具は、ともに20A01で類似と推定されます。これは確定的な結論ではありません。商品の生産・販売部門、用途、需要者などの事情を総合して出所の誤認のおそれを判断するため、個別の事情により類似基準と異なる判断となることがあります。出典:特許庁・類似群コードの定義と例、商標審査基準第3・十・11。

4. 拒絶・異議・無効との対応 ― 第6条違反は「拒絶理由どまり」

商標法第15条第3号(原文) その商標登録出願が第五条第五項又は第六条第一項若しくは第二項に規定する要件を満たしていないとき。
出典:e-Gov法令検索(法令ID 334AC0000000127)、2026年9月参照。
規定拒絶理由
(第15条)
異議理由
(第43条の2)
無効理由
(第46条第1項)
除斥期間
(第47条)
第6条第1項該当第3号非該当非該当―(無効理由でないので問題にならない)
第6条第2項該当第3号非該当非該当―(同上)
第6条第3項区分の性格を確認する規定で、出願人に要件を課していない。第15条第3号にも挙がっていない。
(参考)第5条第5項該当第3号該当第3号該当第3号第47条第1項の列挙には挙がっていない

〔表8〕商標法第6条と拒絶理由・異議理由・無効理由の対応。商標法第15条、第43条の2、第46条第1項の各号(e-Gov、2026年9月参照)に第6条が挙がっているかを確認したもの。

ポイント:第15条第3号は「第5条第5項」と「第6条第1項・第2項」を並べていますが、第43条の2第3号と第46条第1項第3号が挙げるのは「第5条第5項」だけです。同じ号に並んでいても、登録後の扱いが分かれます。
出願 設定の登録 審査 登録後 第6条第1項・第2項違反 拒絶理由になる (第15条第3号) 補正などで解消する機会がある 登録異議の申立て 理由にならない (第43条の2に 挙がっていない) 無効審判 理由にならない (第46条第1項に 挙がっていない) 見すごされて登録されても、第6条違反だけを理由に登録を取り消したり無効にしたりはできない。

図は左右にスクロールできます。

【図7】第6条第1項・第2項違反の時間軸上の位置づけ。商標法第15条第3号、第43条の2、第46条第1項の条文を整理して本記事作成者が図にしたもの。時間軸に縮尺はありません。

逐条解説〔第22版〕の記述:逐条解説〔第22版〕も、第6条の項で、第1項又は第2項の違反は拒絶理由にはなるが、登録異議の申立ての理由及び無効理由にはならない、と述べています。ただし、そうした扱いとした理由についての説明は、同解説の第6条の項には見当たりません。第46条の趣旨説明は、下記の1735頁を参照しています。
逐条解説〔第22版〕1570頁〜1571頁。

逐条解説〔第22版〕1735頁(第46条)は、一商標一出願と区分に従う指定は出願段階で守るべき規定であり、一度登録された以上、その権利の存続を認めても実質上差し支えないため、無効理由としていないと説明しています。第6条1570頁は、拒絶理由に該当する一方で異議・無効の理由にはならないことを確認しています。第5条第5項の商標の特定要件は、これと異なり登録後の異議・無効の理由にもなるため、区別が必要です。出典:逐条解説1570頁・1735頁。

5. 拒絶理由を受けたときの対応 ― 補正と分割

第6条違反の拒絶理由は、多くの場合、指定商品・指定役務の補正で解消をめざします。補正ができる時期は、事件が審査、登録異議の申立てについての審理、審判又は再審に係属している場合に限られます(商標法第68条の40第1項)。補正の内容には、要旨変更の制限があります(商標法第16条の2)。

補正の内容要旨変更か第6条との関係
指定商品・指定役務の範囲の減縮要旨変更でない不明確な部分を削る対応に使える。
誤記の訂正、明瞭でない記載を明瞭なものに改める要旨変更でない不明確な表示(第1項違反)を明確にする対応の基本。
包括表示を、それに含まれる個々の商品・役務に変更要旨変更でない―
指定商品・指定役務の範囲の変更又は拡大(類似の商品・役務への変更・拡大を含む)要旨変更「明確にする」つもりで範囲を広げると補正が却下される(第16条の2)。
区分の表示を正しい区分に改める(〔表4〕の例)商標審査基準 第5 第6条 3.が補正例として示している区分相違(第2項違反)の対応。

〔表9〕指定商品・指定役務の補正と要旨変更。出典:商標審査基準〔改訂第17版〕 第13 第16条の2及び第17条の2(補正の却下)、同 第5 第6条 3.(2026年9月参照)。要旨の抜粋であり、小売等役務に関する取扱いなどは省略している(詳細は補正の記事へ)。

もう1つの手段が出願の分割です(商標法第10条第1項)。二以上の商品又は役務を指定する出願の一部を、新たな出願にできます。新たな出願は、もとの出願の時にしたものとみなされます(同条第2項本文。ただし書あり)。

比べる点補正出願の分割
根拠商標法第68条の40第1項(時期)、第16条の2(要旨変更の補正の却下)商標法第10条
できる時期事件が審査、登録異議の申立てについての審理、審判又は再審に係属している場合出願が審査、審判若しくは再審に係属している場合、又は拒絶をすべき旨の審決に対する訴えが裁判所に係属している場合
追加の条件要旨を変更しないこともとの出願について商標法第76条第2項の手数料を納付していること。二以上の商品又は役務を指定している出願であること
第6条違反への使いどころ(本記事作成者の整理)不明確な表示を明確にする。区分を正しく直す。問題のない指定商品・指定役務と、表示に争いのある指定商品・指定役務を別の出願に分け、前者を先に進める。
使えない場面範囲の変更・拡大になる補正指定商品・指定役務が1つだけの出願。「商標が複数」という第1項違反は、分割の対象が指定商品・指定役務であるため、分割では解消できない(条文の文言からの本記事作成者の整理)

〔表10〕第6条違反の拒絶理由に対する補正と分割の比較。商標法第10条、第16条の2、第68条の40(e-Gov、2026年9月参照)による。

flowchart TB
  A["第6条違反の拒絶理由の通知を受けた"] --> B{"どの違反か"}
  B -- "複数の商標を出願したと認められる
第1項" --> C["意見書で反論するか、対応を検討
商標の補正は要旨変更に注意
別の商標は別出願で"] B -- "表示が不明確
第1項" --> D["明瞭な表示への補正
範囲の拡大・変更は不可"] B -- "区分に従っていない
第2項" --> E["正しい区分への補正
例 第9類 時計 を 第14類 時計 に"] B -- "不明確かつ区分も不明
第1項及び第2項" --> F["意見書・物件提出書で
商品や役務の内容を説明"] F --> G["審査官名による手続補正指示
補正案が示されることがある"] G --> D D --> H{"一部の指定商品・指定役務
だけ争いが残るか"} E --> H H -- "残る" --> I["出願の分割を検討
第10条第1項の要件を確認"] H -- "残らない" --> J["拒絶理由が解消"] G -- "何も対応しない、的確な補正をしない" --> K["先の拒絶理由に基づき拒絶"] style J fill:#E6F5F3,stroke:#1F8A83,color:#22303F style K fill:#FDEDED,stroke:#B23A3A,color:#22303F

図は左右にスクロールできます。

  • 緑の箱:拒絶理由が解消する結論
  • 赤の箱:先の拒絶理由に基づき拒絶される結論

【図8】第6条違反の拒絶理由を受けたときの対応の分岐。商標審査基準 第5 第6条 1.〜5.、商標法第10条、第16条の2を本記事作成者がフロー化したもの。実際の対応は個別の事案による。

区分の数と料金:商標登録出願をした者は、登録料の納付と同時に、商標登録出願に係る区分の数を減ずる補正ができます(商標法第68条の40第2項。同条第1項の時期の制限の例外)。2026年9月21日時点の出願料は3,400円+区分数×8,600円、設定登録料の一括納付額は区分数×32,900円です。出典:特許庁・産業財産権関係料金一覧1(4)、4(4)。

商標審査基準第13・1(2)は、願書に記載した商標中の文字・図形等を変更・削除する補正を、原則として要旨変更としています。「複数あるうちの一つを削ればよい」とは限りません。他に識別機能を有する部分があり、それと構成上一体でない付記的なJIS表示等の削除は例外として認められますが、独立した商標の削除を一律に認めるものではありません。出典:商標審査基準第13・1(2)(ア)(イ)。

6. 四法比較 ― 「1つの出願に何を入れられるか」

比べる点特許法実用新案法意匠法商標法
条文特許法第37条実用新案法第6条意匠法第7条商標法第6条
原則の形二以上の発明でも、発明の単一性の要件を満たす一群の発明なら一の願書で出願できる二以上の考案でも、考案の単一性の要件を満たす一群の考案なら一の願書で出願できる経済産業省令で定めるところにより、意匠ごとにしなければならない一又は二以上の商品又は役務を指定して、商標ごとにしなければならない
1出願に入る数一群の発明(複数可)一群の考案(複数可)意匠は1つ(例外あり。意匠法第8条の組物の意匠などは関連記事へ)商標は1つ。指定商品・指定役務は複数可、区分も複数可
区分・分類の指定義務条文上、出願人の義務としての規定はない同左物品等の区分は経済産業省令にゆだねられている政令で定める区分に従う(第2項)。区分は類似の範囲を定めない(第3項)
違反したとき拒絶理由(特許法第49条第4号)補正命令の対象(実用新案法第6条の2第3号)拒絶理由(意匠法第17条第3号)拒絶理由(商標法第15条第3号)
無効理由か特許法第123条第1項に挙がっていない実用新案法第37条第1項に挙がっていない意匠法第48条第1項に挙がっていない商標法第46条第1項に挙がっていない

〔表11〕四法の比較。各条文は e-Gov(特許法 334AC0000000121、実用新案法 334AC0000000123、意匠法 334AC0000000125、商標法 334AC0000000127)、2026年9月参照。実用新案法第6条の2第3号の原文は「第五条第六項第四号又は前条に規定する要件」で、「前条」が実用新案法第6条を指す。

ポイント:四法とも「1出願の単位」に関する違反は、審査段階(実用新案法では基礎的要件の段階)で是正を求められるにとどまり、無効理由には挙がっていません。商標法に固有なのは、第2項(区分に従う義務)と第3項(区分は類似の範囲を定めない)です。

7. 改正前/現行

論点現行条文から言えること沿革の確認先
1つの出願で複数の区分を指定できるかできる。第6条第1項は指定できる商品・役務の数や区分の数を制限していない。第68条の40第2項は「商標登録出願に係る区分の数を減ずる補正」を予定している。講学上「一出願多区分制」と呼ばれる。平成8年改正により一出願多区分制を導入。それ以前は一出願一区分の原則(逐条解説1570頁)。
役務(サービス)を指定できるかできる。第6条第1項は「商品又は役務」と規定する。平成3年改正でサービスマーク登録制度を導入(逐条解説1589頁)。
国際分類の採用商標法施行令第2条が、ニース協定第1条に規定する国際分類に即して省令で定める、と規定する。1992年4月1日から国際分類を主たる分類として採用。旧日本分類による指定商品を国際分類へ移す書換制度とは区別する(逐条解説1571頁)。

〔表12〕改正前/現行の整理。沿革の年は一次資料で確認できた範囲に限るため、本記事では年を記載していない。

沿革についての逐条解説〔第22版〕の説明(〔表12〕の「沿革の確認先」欄に対応):
一出願多区分制:平成8年の一部改正で第2項を新設して導入されたもので、それ以前は一出願一区分の原則でした(→レベル3冒頭の立法趣旨)。同解説は、一出願多区分制の利点として、出願人にとって区分ごとに願書を作成する必要がなくなって手続の簡素化が図られること、商標権の管理及び調査がこれまで以上に容易になることを挙げ、欧米の先進諸国をはじめ国際分類を採用するほとんどの国で採用されているものである、としています。
区分と国際分類:〔字句の解釈〕は、旧法施行規則に70分類、平成3年の一部改正前の商標法施行令では商品の区分として34分類が規定されていたが、平成3年に商標法施行令が改正され、ニース協定の国際分類を主たる体系として使用することに伴い、商品について34分類、サービスについて8分類を規定し、平成14年1月1日からサービスについて11分類を規定した、としています。
役務(サービスマーク)の登録制度:同解説は、第9条の項で、平成3年の一部改正でサービスマーク登録制度が導入された旨を述べています。
逐条解説〔第22版〕1570頁〜1571頁(一出願多区分制・区分の沿革)、1589頁(サービスマーク登録制度の導入)。

現行第6条は、一商標一出願、区分に従った指定、区分は類似の範囲を定めないという3項から成ります。商品・役務の分類は、2026年1月1日施行の令和7年経済産業省令第79号により、国際分類第13-2026版に対応しています。2026年度弁理士試験の出題対象は各試験実施日に施行されている法令です。出典:現行第6条、特許庁・第13-2026版区分解説、2026受験案内2頁。

8. よくある誤解

Q. 指定商品が同じ区分に入っていれば、商標法第4条第1項第11号の「類似する商品」にあたりますか。
A. いいえ。区分は類似の範囲を定めるものではありません(商標法第6条第3項)。類否は別に判断され、審査では原則として類似商品・役務審査基準によります。
Q. 1つの出願で指定できる区分は1つだけですか。
A. いいえ。第6条第1項は「一又は二以上の商品又は役務」とするだけで、区分の数を制限していません。1つに限られるのは「商標」です。
Q. 区分をまちがえたまま登録された商標は、無効審判で無効にできますか。
A. 第6条第2項違反は、商標法第46条第1項の無効理由に挙がっていません。登録異議の申立ての理由(第43条の2)にも挙がっていません。
Q. 指定商品の表示が不明確な場合、第6条第2項違反ですか。
A. 商標審査基準では、表示が不明確なときは第6条第1項の要件を具備しないものとして扱われます。不明確で、かつ区分に従ったものと判断できないときは、第1項及び第2項の要件を具備しないものとされます。

試験での問われ方

試験種別問われうる角度(条文・審査基準からの整理)見るべき根拠
短答式第3項の文言(区分は類似の範囲を定めるものではない)。第6条違反が拒絶理由であって異議理由・無効理由でないこと。指定商品・指定役務の補正と要旨変更。商標法第6条、第15条第3号、第43条の2、第46条第1項、第16条の2
論文式拒絶理由への対応(補正・分割)の手続の組立て。商標法第10条、第68条の40、第16条の2
口述条文の文言(「商標ごとに」「政令で定める商品及び役務の区分に従つて」)、政令・省令の所在。商標法第6条、商標法施行令第2条、商標法施行規則第6条

〔表13〕試験での問われ方の整理。出題を予測するものではなく、条文・審査基準の構造から本記事作成者が整理したもの。

令和8年度短答式【商標】全10問には、第6条の一商標一出願や区分の定めを直接問う肢はありません。問6は出願手続の問題ですが、第6条の出題例としては扱いません。 出典:公式問題(商標1〜10)、公式解答。

レベル3のまとめ
  • 審査基準の整理:複数の商標・不明確な表示・表示中の登録商標=第1項違反、区分相違=第2項違反、不明確かつ区分も判断できない=第1項及び第2項違反。
  • 不明確な表示の拒絶理由に対して説明の意見書等を出すと、直ちに拒絶されず、審査官名による手続補正指示がされる。
  • 第6条第1項・第2項違反は拒絶理由(第15条第3号)。異議理由・無効理由ではない。
  • 区分と類似は別のものさし(第3項)。審査での類否は原則として類似商品・役務審査基準による。類似群コードが同じなら類似と「推定」。
  • 対応は補正(減縮・明瞭化は可、変更・拡大は要旨変更)と分割(第10条)。
  • 特許法第37条・実用新案法第6条は「できる」型、意匠法第7条・商標法第6条は「しなければならない」型。いずれも無効理由には挙がっていない。

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