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小学生でも分かる商標法|商標法第18条・第19条 設定登録と存続期間 ― 権利は「登録」で生まれ、10年ごとに更新できる

小学生でもわかる商標法 第21回「設定登録と存続期間」。権利の始まりと10年の期間。

小学生でも分かる商標法 / B. 出願・審査・登録の手続 #21

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審査に通っただけでは、まだ商標権(しょうひょうけん)は生まれていません。お金(登録料)を納めて、特許庁の帳簿に「登録」されたときに、はじめて権利が生まれます。そして商標権は、登録の日から10年で終わりますが、手続をすれば次の10年へ、また次の10年へと続けられます。この記事では、権利の「生まれ方」と「続き方」を、図と表でたしかめます。

条文:商標法第18条(第1項〜第5項)・第19条(第1項〜第3項)審査基準:商標審査基準(令和8年2月改訂)に本条の独立した項目なし参照時点:2026年9月
目次

LEVEL 1イメージでつかむ

権利は「名ぼにのった日」に生まれる

町に「ほしぞらパン」というパン屋さんがあるとします(架空のお店です)。お店の人は、「ほしぞらパン」という名前を、自分のお店の目じるしとして守りたいと考えました。この目じるしのことを、法律では商標(しょうひょう)といいます。

お店の人は、国の役所である特許庁(とっきょちょう)に「この名前を登録してください」とお願いしました。役所の人が調べて、「登録してよいですよ」という返事をくれました。でも、この返事だけでは、まだ権利は生まれていません。

返事をもらったら、決められた日までに登録のためのお金を納めます。お金が納められると、役所は大きな名ぼ(帳簿)に「ほしぞらパン」を書きこみます。これを登録といいます。名ぼに書きこまれたその日に、目じるしを守る権利=商標権(しょうひょうけん)が生まれます。

登録されると、役所は「こういう目じるしが登録されました」というお知らせの本(公報=こうほう)を出します。みんながそれを見て、「この登録はおかしい」と思った人は、決められた期間のうちに役所へ言うことができます。

10年で終わる。でも「続けます」と言えば、また10年

商標権は、登録の日から10年で終わります。図書館の本の貸出しに期限があるのと少し似ています。でも、図書館で「もう少し借ります」と言えば期限をのばせるように、商標権も「続けます」という手続(更新=こうしん)をして、お金を納めれば、次の10年も続きます。その次も、またその次も、同じように続けられます。

「ほしぞらパン」の目じるしの権利(架空の例) さいしょの10年 登録の日からかぞえる つぎの10年 「続けます」の手続をした そのつぎの10年 また手続をした … 登録の日 権利が生まれる 更新① お金を納めて続ける 更新② お金を納めて続ける 手続をしなければ、10年の終わりで権利もおしまい。 (おくれても間に合う場合があります → レベル3)

図は左右にスクロールできます。

  • 橙の枠:さいしょの10年(登録の日からかぞえる)
  • 青緑の枠:手続をして続けた、つぎの10年
  • 藍の枠:また手続をして続けた、そのつぎの10年
  • 色つきの丸:その10年がはじまる日(登録の日・更新の日)
  • 赤の枠:手続をしなかったときの注意

【図1】目じるしの権利は、登録の日から10年。続ける手続をすれば、次の10年へつながる。店名は架空の例。本記事作成者が模式化したもの。

ほかの権利とくらべてみる

特許庁であつかう権利には、目じるしの権利のほかに、発明(はつめい)の権利、ちょっとした工夫(考案=こうあん)の権利、デザインの権利があります。この3つは、決まった年数がたつと終わり、「続けます」の手続はありません。くり返し続けられるのは、目じるしの権利だけです。

4つの権利の「長さ」くらべ(おおまかな図) 発明の権利 考案の権利 デザインの権利 目じるしの権利 お願いした日から20年 ここで終わり お願いした日から10年 ここで終わり お願いした日から25年 終わり 登録から10年 +10年 +10年 … お願いした日 登録の日 ※ 目じるしの権利だけ、かぞえはじめが「登録の日」で、続ける手続がある。

図は左右にスクロールできます。

  • 青緑の帯:年数がたつと終わる権利(発明・考案・デザイン)
  • 橙の帯:10年ごとに続けられる権利(目じるし=商標)
  • 灰色のたて破線:お願いした日(出願の日)=発明・考案・デザインのかぞえはじめ
  • 橙のたて破線:登録の日=目じるしの権利のかぞえはじめ

【図2】4つの権利の長さくらべ。発明(特許)・考案(実用新案)・デザイン(意匠)は「お願いした日(出願の日)」からかぞえ、目じるし(商標)は「登録の日」からかぞえる。おおまかな模式図で、発明の権利の特別な延長などは省略している(→レベル3)。本記事作成者が模式化したもの。

なぜ目じるしだけ続けられるのでしょうか。発明やデザインは、いつかみんなが自由に使えるようになったほうが、世の中が便利になります。いっぽう、目じるしは、長く使うほど「あのお店のパンならおいしい」という信用(しんよう)がたまっていきます。10年たったとたんに、ほかのお店が同じ名前を使えるようになったら、お客さんがまちがえて困ってしまいます。だから、使い続けたい人は続けられるようになっている、と説明されるのが一般的です(法律を作った人たちの正式な説明の確かめ方は、レベル3にあります)。

① 「登録してよい」の返事をもらう② お金を納める③ 名ぼに登録 = 権利が生まれる④ お知らせの本(公報)が出る⑤ 10年ごとに「続けます」
レベル1のまとめ
  • 目じるしの権利(商標権)は、役所の名ぼに登録された日に生まれる。「登録してよい」の返事だけでは、まだ生まれていない。
  • 登録には、決められた日までにお金を納めることが必要。
  • 権利は登録の日から10年で終わる。でも、続ける手続をすれば、次の10年も続く。何回でもくり返せる。
  • 発明・考案・デザインの権利には、このような「続ける手続」はない。

※ 「お金を納める日」「続ける手続ができる時期」「お金を2回に分けて納める方法」「おくれたときの助け」は、正確には条件があります(→レベル3)。「なぜ目じるしだけ続けられるのか」の説明は、わかりやすくするために単純にしています(→レベル3)。

LEVEL 2条文の骨格

第18条 ― 商標権の「生まれ方」

商標法第18条第1項・第2項(原文) 商標権は、設定の登録により発生する。(第1項)
第四十条第一項の規定による登録料又は第四十一条の二第一項の規定により商標登録をすべき旨の査定若しくは審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付すべき登録料の納付があつたときは、商標権の設定の登録をする。(第2項)
出典:e-Gov法令検索(法令ID 334AC0000000127)、2026年9月参照。

第1項は「いつ権利が生まれるか」、第2項は「どうなったら登録してもらえるか」を決めています。登録査定(商標登録をすべき旨の査定)が届いただけでは権利は生まれず、登録料の納付 → 設定の登録という2段階を通って、はじめて商標権が発生します。

部品文言意味
何が「商標権は」登録商標を独占的に使用できる権利(中身は商標法第25条の記事で)
何によって「設定の登録により」特許庁の商標原簿に、商標権の設定が登録されること(商標原簿に登録する事項は商標法第71条第1項第1号)
どうなる「発生する」その時点で権利が生まれる。出願の日や査定の日にさかのぼるわけではない
登録の条件「登録料…の納付があつたとき」①一括納付の登録料(商標法第40条第1項)または②分割納付の前半分(商標法第41条の2第1項)が納付されたとき
だれが登録する「設定の登録をする」納付があれば特許庁が登録する。出願人が別に「登録の申請」をするわけではない

〔表1〕商標法第18条第1項・第2項を部品に分解した表。本記事作成者が条文を整理したもの。

商標法第18条第3項〜第5項(原文) 前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を商標公報に掲載しなければならない。(第3項柱書)
一 商標権者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 商標登録出願の番号及び年月日
三 願書に記載した商標
四 指定商品又は指定役務
五 登録番号及び設定の登録の年月日
六 前各号に掲げるもののほか、必要な事項

特許庁長官は、前項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した商標公報(以下「商標掲載公報」という。)の発行の日から二月間、特許庁において出願書類及びその附属物件を公衆の縦覧に供しなければならない。ただし、個人の名誉又は生活の平穏を害するおそれがある書類又は物件及び公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある書類又は物件であつて、特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるものについては、この限りでない。(第4項)

特許庁長官は、個人の名誉又は生活の平穏を害するおそれがある書類又は物件であつて、前項ただし書の規定により特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるもの以外のものを縦覧に供しようとするときは、当該書類又は物件を提出した者に対し、その旨及びその理由を通知しなければならない。(第5項)
出典:e-Gov法令検索(法令ID 334AC0000000127)、2026年9月参照。
項役割一言でいうと
第1項商標権の発生時期設定の登録で権利が生まれる
第2項設定の登録をする条件登録料(一括)または分割の前半分が納付されたら登録する
第3項商標公報への掲載事項(第1号〜第6号)登録したら、だれの・どの商標が・どの商品役務について登録されたかを公報にのせる
第4項商標掲載公報の定義、出願書類等の縦覧(2月間)とその例外公報発行の日から2月間、出願書類を公衆が見られるようにする。名誉・生活の平穏・公序良俗を害するおそれがあるものは例外
第5項縦覧に供するときの提出者への通知個人の名誉等を害するおそれがある書類を、それでも縦覧に供するときは、提出者に理由を通知する

〔表2〕商標法第18条の項ごとの役割一覧。本記事作成者が条文を整理したもの。

flowchart TB
  A["商標登録をすべき旨の査定
又は審決の謄本の送達"] --> B{"送達があった日から30日以内に
登録料を納付したか
(一括=第40条第1項/
分割の前半分=第41条の2第1項)"} B -- "納付あり" --> C["商標権の設定の登録
(第18条第2項)"] C --> D["商標権が発生
(第18条第1項)
存続期間10年のスタート
(第19条第1項)"] C --> E["商標公報に掲載
=商標掲載公報
(第18条第3項・第4項)"] E --> F["発行の日から2月間
出願書類等の縦覧
(第18条第4項)"] E --> G["発行の日から2月以内
登録異議の申立て
(第43条の2)"] B -- "期間内に納付なし" --> H["期間の延長・期間経過後の納付
(第41条第2項〜第4項 等)
→レベル3"] style D fill:#E6F5F3,stroke:#1F8A83,color:#22303F style H fill:#FDEDED,stroke:#B23A3A,color:#22303F

図は左右にスクロールできます。

  • 緑の箱:期間内に登録料を納付した場合に進む結果(商標権の発生)
  • 赤の箱:期間内に納付がなかった場合に進む別ルート(この時点で消滅が確定するわけではない)

【図3】登録査定から商標権の発生、商標掲載公報、登録異議の申立期間までの流れ。条文番号はすべて商標法。本記事作成者が条文をフロー化したもの。

第19条 ― 商標権の「続き方」

商標法第19条(原文) 商標権の存続期間は、設定の登録の日から十年をもつて終了する。(第1項)
商標権の存続期間は、商標権者の更新登録の申請により更新することができる。(第2項)
商標権の存続期間を更新した旨の登録があつたときは、存続期間は、その満了の時に更新されるものとする。(第3項)
出典:e-Gov法令検索(法令ID 334AC0000000127)、2026年9月参照。
項部品文言意味
第1項いつから「設定の登録の日から」かぞえはじめ(起算点)は設定の登録の日。出願の日ではない
どれだけ「十年をもつて終了する」存続期間は10年
第2項だれが「商標権者の」更新を求められるのは商標権者
何によって「更新登録の申請により更新することができる」「申請」という手続で更新できる。回数の上限は条文に書かれていない
第3項いつ更新される「その満了の時に更新されるものとする」更新の登録が実際にいつされても、前の期間の満了の時につながる形で更新される。権利にすき間ができない

〔表3〕商標法第19条を項・部品に分解した表。本記事作成者が条文を整理したもの。

flowchart LR
  A["設定の登録の日
(第18条)"] --> B["存続期間 10年
(第19条第1項)"] B --> C{"更新登録の申請
(第19条第2項・第20条)
と登録料の納付"} C -- "あり" --> D["更新した旨の登録
(第23条)"] D --> E["満了の時に更新
(第19条第3項)
次の10年へ"] E --> C C -- "なし" --> F["商標権は消滅
(第20条第4項:
満了の時にさかのぼつて
消滅したものとみなす)"] style E fill:#E6F5F3,stroke:#1F8A83,color:#22303F style F fill:#FDEDED,stroke:#B23A3A,color:#22303F

図は左右にスクロールできます。

【図4】10年ごとの更新サイクル。条文番号はすべて商標法。更新登録の申請の時期・期間経過後の申請・回復(商標法第20条〜第23条)の詳細は別記事で扱う。本記事作成者が条文をフロー化したもの。

レベル2のまとめ
  • 商標権は設定の登録により発生する(商標法第18条第1項)。登録査定の時点ではまだ発生していない。
  • 設定の登録は、査定又は審決の謄本の送達があった日から30日以内に納付すべき登録料(一括、又は分割の前半分)の納付があったときにされる(商標法第18条第2項、第40条第1項、第41条第1項、第41条の2第1項)(期間の延長等の例外あり)。
  • 設定の登録があると商標公報に掲載される。この公報が「商標掲載公報」で、発行の日から2月間、出願書類等が縦覧に供される(商標法第18条第3項・第4項)。
  • 存続期間は設定の登録の日から10年。商標権者の更新登録の申請により更新でき、更新は満了の時にされたものとされる(商標法第19条)。

LEVEL 3要件・例外・試験での問われ方

1. 設定の登録の前提 ― 登録料の納付(商標法第18条第2項)

商標法第18条第2項が設定の登録の条件として挙げる「登録料」は2種類です。

納付のしかた根拠条文納付の時期(条文)その後
一括納付商標法第40条第1項商標登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があった日から30日以内(商標法第41条第1項)次は更新登録の申請のとき(商標法第40条第2項、第41条第5項)
分割納付・前半分(条文上の名称:前期分割登録料)商標法第41条の2第1項・第2項同じく送達があった日から30日以内(商標法第41条の2第1項)後半分(後期分割登録料)を「商標権の存続期間の満了前五年まで」に納付(商標法第41条の2第1項)

〔表4〕設定の登録の前提となる登録料の2つの納付方法。期間は2026年9月時点の商標法の条文による。本記事作成者が条文を整理したもの。

ポイント(例外の所在):30日の納付期間には、①請求による30日以内の延長(商標法第41条第2項、分割納付は第41条の2第2項)、②期間経過後でも経済産業省令で定める期間内に限り納付できる仕組み(商標法第41条第3項、第41条の2第3項)、③責めに帰することができない理由がある場合の納付(商標法第41条第4項、第41条の2第4項。理由がなくなった日から14日(在外者にあっては2月)以内で期間の経過後6月以内)があります。詳細は登録料の記事で扱います。
現行の設定登録料は区分数×32,900円、分割納付では前期・後期それぞれ区分数×17,200円です。第41条第3項の期間は、通常の納付期限(延長があれば延長後)から2月で、期間徒過の期間延長請求書を提出します(施行規則第18条第4項・第7項)。特許庁料金一覧。

特許法との文言の違い。特許法第66条第2項は「特許料の納付又はその納付の免除若しくは猶予があつたとき」に設定の登録をすると定めています。これに対し、商標法第18条第2項の文言は「登録料の納付があつたとき」であり、「免除若しくは猶予」の語はありません(いずれも2026年9月参照のe-Gov条文による文言の対比)。

2. 四法の比較 ― 設定の登録の条件

法律権利の発生設定の登録がされる条件公報
特許法設定の登録により発生(特許法第66条第1項)第1年から第3年までの各年分の特許料の納付、又はその納付の免除若しくは猶予(特許法第66条第2項)特許公報に掲載(特許法第66条第3項)
実用新案法設定の登録により発生(実用新案法第14条第1項)実用新案登録出願があったとき。ただし出願が放棄され、取り下げられ、又は却下された場合を除く(実用新案法第14条第2項)実用新案公報に掲載(実用新案法第14条第3項)
意匠法設定の登録により発生(意匠法第20条第1項)第1年分の登録料の納付(意匠法第20条第2項)意匠公報に掲載(意匠法第20条第3項)。秘密意匠の特則あり(同条第4項)
商標法設定の登録により発生(商標法第18条第1項)商標法第40条第1項の登録料、又は分割納付の前半分(商標法第41条の2第1項)の納付(商標法第18条第2項)商標公報に掲載(商標法第18条第3項)=商標掲載公報。発行の日から2月間の縦覧(同条第4項)

〔表5〕四法の「設定の登録」の比較。各条文は2026年9月にe-Gov法令検索で確認。本記事作成者が条文を整理したもの。

四法とも「設定の登録により発生する」点は共通です。違いは、登録の条件となる料金の単位(特許=3年分、意匠=1年分、商標=10年分を一時に、又は5年ごとの分割。特許庁「権利化のための特許(登録)料の納付の流れについて」2026年2月9日更新版の説明による)と、実用新案法が実体審査を経ずに登録する仕組みである点に表れています。

3. 商標掲載公報と登録異議の申立期間(商標法第18条第3項・第4項 → 第43条の2)

商標法第43条の2柱書は、登録異議の申立てができる期間を次のように定めています。

商標法第43条の2柱書前段(原文) 何人も、商標掲載公報の発行の日から二月以内に限り、特許庁長官に、商標登録が次の各号のいずれかに該当することを理由として登録異議の申立てをすることができる。
出典:e-Gov法令検索(法令ID 334AC0000000127)、2026年9月参照。

ここでいう「商標掲載公報」の定義が置かれているのが、商標法第18条第4項です。つまり第18条は、権利の発生だけでなく、登録異議の申立期間の起算点を与える公報を定める条文でもあります。

期間起算点長さ根拠
商標権の存続期間設定の登録の日10年商標法第19条第1項
出願書類等の縦覧商標掲載公報の発行の日2月間商標法第18条第4項
登録異議の申立て商標掲載公報の発行の日2月以内商標法第43条の2

〔表6〕設定の登録に連なる3つの期間と起算点。起算点が「設定の登録の日」か「商標掲載公報の発行の日」かを区別する。期間は2026年9月時点の条文による。本記事作成者が条文を整理したもの。

ポイント:縦覧の2月間と登録異議の申立期間の2月は、どちらも商標掲載公報の発行の日から数えます。設定の登録の日から数えるのは存続期間だけです。縦覧の例外(商標法第18条第4項ただし書)は、①個人の名誉又は生活の平穏を害するおそれがある書類又は物件、②公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある書類又は物件であって、いずれも「特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるもの」です。

更新の登録があったときの公報掲載事項は、商標法第23条第3項に別に定められています。設定の登録のときの掲載事項と比べると、更新のときは項目が少なくなっています。

掲載事項設定の登録のとき(商標法第18条第3項)更新の登録のとき(商標法第23条第3項)
商標権者の氏名又は名称及び住所又は居所第1号第1号
商標登録出願の番号及び年月日第2号規定なし
願書に記載した商標第3号規定なし
指定商品又は指定役務第4号規定なし
登録番号第5号(及び設定の登録の年月日)第2号(及び更新登録の年月日)
必要な事項第6号第3号

〔表7〕商標公報の掲載事項の比較(設定の登録と更新の登録)。2026年9月にe-Gov法令検索で確認した条文による。本記事作成者が条文を整理したもの。

4. 存続期間の起算点と四法比較(商標法第19条第1項)

存続期間の起算点の違い(年数の縮尺は正確ではない) 出願の日 設定の登録の日 (権利の発生は四法とも、ここ) 特許権実用新案権意匠権商標権 特許法第67条第1項実用新案法第15条意匠法第21条第1項商標法第19条 出願の日から20年(延長の制度あり:第2項・第4項) 出願の日から10年 出願の日から25年で終了(関連意匠は基礎意匠の出願の日から) 登録の日から10年 更新 +10年 更新 +10年 … 権利なし 権利なし 権利なし

図は左右にスクロールできます。

  • 青緑の帯:出願の日から数える権利(特許権・実用新案権・意匠権)
  • 藍の帯:設定の登録の日から数える権利(商標権)
  • 青緑の破線の枠:存続期間の計算には入るが、まだ権利が発生していない期間(出願〜設定の登録)
  • たて破線:灰色=出願の日、藍=設定の登録の日(権利の発生は四法ともここ)

【図5】四法の存続期間の起算点の比較。特許権・実用新案権・意匠権は出願の日から数えるため、審査等にかかった期間の分だけ実際に権利を行使できる期間が短くなる。商標権は設定の登録の日から数える。年数の縮尺は正確ではない。本記事作成者が条文を模式化したもの。

法律・条文起算点年数延長更新
特許法第67条特許出願の日(第1項)20年あり 延長登録の出願による延長(第2項=設定の登録が基準日以後にされたとき/第4項=政令で定める処分を受けることが必要であるために実施できない期間があったとき、5年を限度)なし
実用新案法第15条実用新案登録出願の日10年同条に規定なしなし
意匠法第21条意匠登録出願の日(第1項)。関連意匠は基礎意匠の意匠登録出願の日(第2項)25年同条に規定なしなし
商標法第19条設定の登録の日(第1項)10年同条に規定なしあり 商標権者の更新登録の申請(第2項)。回数の上限の規定なし

〔表8〕四法の存続期間比較表(起算点・年数・延長/更新の有無)。年数は2026年9月時点の各条文(e-Gov法令検索)による。本記事作成者が条文を整理したもの。

ポイント(条文上の帰結):四法のうち、存続期間の起算点が「設定の登録の日」なのは商標法だけです。また、「延長」(特許法)と「更新」(商標法)は別の制度です。特許法の延長は一定の理由がある場合に限って期間を延ばすもの、商標法の更新は商標権者の申請により10年ずつ期間を新しくするものです。

5. なぜ商標権だけ更新できるのか

条文から確認できるのは、次の2点です。第一に、商標法第1条は法の目的を次のように定めています。

商標法第1条(原文) この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。
出典:e-Gov法令検索(法令ID 334AC0000000127)、2026年9月参照。

第二に、商標法第19条第2項は、更新の回数に上限を設けていません。保護の対象が「業務上の信用」であり、信用は商標の使用が続くかぎり維持・蓄積されるものであるから、一定期間で権利を終わらせる理由に乏しい ― という説明が一般に行われています。ただし、これは条文そのものに書かれた理由ではなく、趣旨の説明です。

立法趣旨(逐条解説〔第22版〕):特許庁編『工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第22版〕』(令和4年10月。以下「逐条解説〔第22版〕」)は、商標権の存続期間は特許権・実用新案権・意匠権の存続期間とは本質的に意味が異なると説明しています。要旨は次のとおりです。
特許権等の存続期間は、新規な発明をした者が独占したいという要求と、社会一般がその発明を早く自由に利用したいという要求との調和点としての意味を持ち、特許制度が新規性を要素としていることと不可分に結び付いている。これに対して商標権は、その商標に化体された信用を保護することを目的とするのであるから、特許権におけるような意味で存続期間を限る必要はなく、むしろ存続期間を限ることは、長年にわたる商標の使用の結果として蓄積された信用を保護するという立法趣旨と根本的に相反する。
もっとも、何らの制限もなく永久に存続させることは不当な結果を招くとして、同書は次の3つの場合を挙げています。①権利者が業務の廃止その他の理由によりその商標権の存続を希望しなくなった場合、②その商標が時代の推移とともに反公益的な性格を帯びるようになった場合、③長期間にわたって使用されていない大量の登録商標が存在し続けることによって商標制度の本来の趣旨を逸脱するような事態となる場合。そこで存続期間を10年とし、必要な場合は何回でも更新できることとして、この3つの問題を解決しつつ、権利の永続性という商標権の本質的な要求を満たした ― というのが同書の説明です。更新の単位も10年である旨が付記されています。
逐条解説〔第22版〕1625頁〜1626頁。
参考(逐条解説〔第22版〕の〔参考〕欄):同書は、旧法(大正10年法)における商標権の存続期間は20年であり、現行法でこれを10年としたのは、存続期間を短縮することにより、不使用取消制度の強化とともに空権化した商標権の整理の促進を図ろうとの趣旨である、と説明しています。
逐条解説〔第22版〕1626頁〜1627頁。

6. 「満了の時に更新」の意味(商標法第19条第3項)

商標法第19条第3項は、更新した旨の登録があったときは、存続期間が「その満了の時に更新されるものとする」と定めます。条文上の帰結として、次のことがいえます。

  • 更新後の10年は、前の存続期間の満了の時から続く。更新の登録が実際にされた日から新たに10年を数えるのではない。
  • 更新登録の申請は、存続期間の満了後でも一定の期間内はできる(商標法第20条第3項)。この場合も、更新した旨の登録があれば、存続期間は満了の時に更新されたものとされるので、権利は途切れずに続いていたことになる。
  • 反対に、申請ができる期間内に申請がなければ、商標権は「存続期間の満了の時にさかのぼつて消滅したものとみなす」(商標法第20条第4項)。
立法趣旨(逐条解説〔第22版〕):逐条解説〔第22版〕は、商標法第19条第3項の「満了の時に」とは存続期間の満了の日の翌日の午前零時を指し、更新された存続期間はその時点から始まることを意味する、と説明しています。
また、同書は商標法第20条第4項の解説において、同条第3項に規定する手続期間(経済産業省令で定める期間)内に更新登録の申請がされた場合は、第4項の反対解釈として、更新登録がされるまでは、第3項の期間が経過した後であっても、その存続期間は更新されたものとみなす効果が維持される、と説明しています。あわせて、第2項の期間(満了前6月から満了の日まで)を経過しても商標権は当然には消滅せず、第3項の期間内に申請がないときに初めて遡及して消滅する、と説明しています。
なお、同書は第三者の行為との調整については、商標権の回復の場合を定める商標法第22条の解説で扱っています(本記事作成者が同書の商標法第19条〜第23条の解説を通読した範囲では、商標法第20条第3項の期間内に申請があった場合について別段の調整の説明は見当たりませんでした)。
逐条解説〔第22版〕1626頁、1629頁〜1630頁、1632頁。
用語(逐条解説〔第22版〕の〔字句の解釈〕):同書は「満了」と「終了」を使い分けていると説明しています。「終了」は権利の存続期間の終期を意味する語(特許法第67条、実用新案法第15条、意匠法第21条の書きぶり)、「満了」はあらかじめ規定されている期間が事故なく終わることを意味する語である、とされています。
逐条解説〔第22版〕1626頁。

7. 10年の数え方と満了日

商標法に規定する期間の計算には、商標法第77条第1項により特許法第3条から第5条までが準用されます。特許法第3条第1項は、期間の初日は算入しないこと(ただし、その期間が午前零時から始まるときを除く。同項第1号)、月又は年をもって期間を定めたときは暦に従い、最後の月又は年において起算日に応当する日の前日に満了すること(同項第2号)を定めています。

特許庁の案内(特許庁審査業務部審査業務課登録室「商標権の更新 更新登録申請期間開始日にご注意ください!」2017年5月)は、存続期間の満了日が×年12月26日の場合、更新登録申請期間は×年6月27日から12月26日までであり、6月26日の申請は期間外になる、という例を示しています。

通常、満了日は設定登録日から10年後の同じ月日です。特許庁の案内も、2007年2月9日設定登録・1回更新の場合に、次の満了日を2027年2月9日とする例を示しています。期間計算では、応当日がない場合などの準用特許法第3条の規定も適用されます。権利の存続期間と、閉庁日に当たる手続期限の繰下げは区別します。特許庁の具体例/第19・77条

8. 分割納付と存続期間の関係(商標法第41条の2・概要のみ)

登録料を分割して納付した場合でも、存続期間そのものは10年です(商標法第19条第1項に分割納付の場合の特則はありません)。ただし、後半分の登録料を納付しないと、10年の途中で商標権が消滅します。

場面条文内容(要旨)
前半分(前期分割登録料)商標法第41条の2第1項・第2項査定又は審決の謄本の送達があった日から30日以内に納付 → 設定の登録(商標法第18条第2項)
後半分(後期分割登録料)商標法第41条の2第1項「商標権の存続期間の満了前五年までに」納付
後半分の追納商標法第41条の2第5項期間の経過後6月以内は追納できる(割増登録料は商標法第43条第3項)
追納もしなかったとき商標法第41条の2第6項商標権は「存続期間の満了前五年の日に遡つて消滅したものとみなす」
更新のときの分割納付商標法第41条の2第7項更新登録の申請をする者も登録料を分割して納付できる

〔表9〕登録料の分割納付と存続期間の関係(概要)。期間は2026年9月時点の条文による。第5項・第7項は要旨。詳細は登録料の記事で扱う。本記事作成者が条文を整理したもの。

flowchart TB
  S["設定の登録
(存続期間10年スタート)"] --> Q1{"登録料の納付方法は?"} Q1 -- "一括(第40条第1項)" --> T10["満了まで追加の登録料なし"] Q1 -- "分割(第41条の2第1項)" --> Q2{"満了前5年までに
後期分割登録料を納付したか"} Q2 -- "納付した" --> T10 Q2 -- "納付せず" --> Q3{"期間経過後6月以内に
後期分割登録料と
割増登録料を追納したか
(第41条の2第5項)"} Q3 -- "追納した" --> T10 Q3 -- "追納せず" --> X5["満了前5年の日に遡つて
消滅したものとみなす
(第41条の2第6項)"] T10 --> Q4{"更新登録の申請をしたか
(第19条第2項・第20条)"} Q4 -- "した(登録料も納付)" --> R["更新した旨の登録(第23条)
→満了の時に更新(第19条第3項)"] Q4 -- "しなかった" --> X10["満了の時にさかのぼつて
消滅したものとみなす
(第20条第4項)"] R --> Q1 style R fill:#E6F5F3,stroke:#1F8A83,color:#22303F style X5 fill:#FDEDED,stroke:#B23A3A,color:#22303F style X10 fill:#FDEDED,stroke:#B23A3A,color:#22303F

図は左右にスクロールできます。

【図6】商標権が「いつまで続くか」を判断する分岐図。条文番号はすべて商標法。責めに帰することができない理由がある場合の特則、商標権の回復(商標法第21条)、審判・登録異議による消滅などは省略している(例外あり)。本記事作成者が条文をフロー化したもの。

9. 商標法の中の「存続期間」3種類

権利条文起算点年数更新の方法
商標権(通常の出願)商標法第19条設定の登録の日10年商標権者の更新登録の申請(第2項)
防護標章登録に基づく権利商標法第65条の2設定の登録の日10年更新登録の出願(第2項本文)。登録防護標章が商標法第64条の規定により防護標章登録を受けることができるものでなくなったときは更新できない(同項ただし書)
国際登録に基づく商標権商標法第68条の21国際登録の日(設定の登録前に国際登録の存続期間の更新がされているときは、直近の更新の日)10年国際登録の存続期間の更新(第2項)。更新がなかったときは満了の時にさかのぼって消滅したものとみなす(第4項)

〔表10〕商標法の中の3つの存続期間。年数は2026年9月時点の条文(e-Gov法令検索)による。「申請」と「出願」の語の違い、国際登録に基づく商標権の起算点に注意。本記事作成者が条文を整理したもの。

10. 拒絶理由・異議理由・無効理由との関係

商標法第18条・第19条は、登録の「要件」を定める条文ではなく、権利の発生と期間を定める条文です。そのため、次の表のとおり、拒絶・異議・無効の理由としては列挙されていません。

制度条文第18条・第19条は列挙されているか
拒絶理由商標法第15条非該当 列挙なし
登録異議の申立ての理由商標法第43条の2各号非該当 列挙なし(ただし第18条第4項の商標掲載公報が申立期間の起算点になる)
無効理由商標法第46条第1項各号非該当 列挙なし
除斥期間商標法第47条第18条・第19条違反を理由とする無効審判自体がないため、問題にならない。なお、除斥期間の起算点の条文上の文言は商標法第47条の記事で確認

〔表11〕商標法第18条・第19条と拒絶理由・異議理由・無効理由の対応表。2026年9月にe-Gov法令検索で商標法第15条、第43条の2、第46条第1項を確認。本記事作成者が条文を整理したもの。

11. 審査基準・改正の確認

商標審査基準(特許庁ウェブサイト掲載、令和8年2月改訂の表示。2026年9月参照)の目次には、商標法第18条・第19条を対象とする独立の項目はありません。存続期間の更新に関係する項目は「第15 第65条の2、3及び4(防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録)」で、これは防護標章についてのものです。通常の商標権の更新は「申請」であって審査官による実体審査の対象ではないことと対応しています。

改正の経緯(逐条解説〔第22版〕):逐条解説〔第22版〕の説明の要旨は、次のとおりです。
商標法第18条第3項(商標掲載公報)。商標権の内容は設定の登録がされれば商標登録原簿によって公示されるが、平成8年の一部改正で出願公告制度が廃止されたため、広く公衆に商標権の内容を知らせるために必要な事項として、従来の出願公告において商標公報に掲載していた願書に記載した商標および指定商品・指定役務等を商標公報に掲載することとした。
同条第4項(縦覧)。平成8年の一部改正前における出願公告時の縦覧(一部改正前の第16条第4項)に相当する規定である。同項ただし書は平成10年の一部改正で追加され、縦覧の対象書類等の制限を定めた。第5項も平成10年の一部改正で追加された規定である。
商標法第19条第2項(更新)。平成8年の一部改正前は、商標権者による更新登録の出願に基づき、更新登録の要件について審査が行われ、要件を具備していないと更新ができないこととされていた。同書はその要件として、①その登録商標が公益的不登録事由(同書は第4条第1項第1号から第3号まで、第5号、第7号又は第16号を挙げています。)に該当するものとなっていないこと、②その登録商標が使用されていること、の2つを挙げています。平成8年の一部改正では、商標法条約が更新に際して標章の使用に関する宣言書または証拠の提出および実体についての審査をそれぞれ明確に禁じていること(同書は同条約第13条⑷・⑹を挙げています)に対応して、いわゆる使用チェックおよび実体審査を伴う更新出願制度を廃止し、更新登録の申請と料金納付のみにより、使用チェックや実体審査を行うことなく更新を認める更新申請制度を導入した。
なお同書は、この更新登録の申請は商標権者のみがすることができ、使用権者や質権者などの利害関係を有する者であってもすることができない、としています。
逐条解説〔第22版〕1623頁〜1624頁、1626頁。
平成8年改正前の更新は「更新登録の出願」で、使用と公益的不登録事由の審査を伴いました。1997年4月1日施行の改正後は「更新登録の申請」と料金納付による制度となり、使用チェック・実体審査は行いません。青本1626頁・平成8年法律第68号附則第1条。

試験での問われ方

Q. 登録査定の謄本が送達された時点で、商標権は発生していますか。
A. 発生していません。商標権は設定の登録により発生します(商標法第18条第1項)。設定の登録は、登録料(一括、又は分割の前半分)の納付があったときにされます(同条第2項)。
Q. 商標権の存続期間は、商標登録出願の日から10年ですか。
A. いいえ。「設定の登録の日から十年」です(商標法第19条第1項)。出願の日から数えるのは特許権(特許法第67条第1項)、実用新案権(実用新案法第15条)、意匠権(意匠法第21条第1項)です。
Q. 登録異議の申立期間は、設定の登録の日から2月ですか。
A. いいえ。「商標掲載公報の発行の日から二月以内」です(商標法第43条の2)。商標掲載公報の定義は商標法第18条第4項にあります。
Q. 存続期間の満了後に更新の登録がされた場合、新しい10年はいつから数えますか。
A. 前の存続期間の「満了の時」に更新されるものとされます(商標法第19条第3項)。更新の登録がされた日から数えるのではありません。

短答式では、①権利の発生時期、②起算点(設定の登録の日/出願の日/商標掲載公報の発行の日)の入れ替え、③「申請」(商標権)と「出願」(防護標章)の語の入れ替え、④分割納付の後半分を納付しなかった場合の消滅時期、といった形で問われることが考えられます。論文式・口述では、四法の存続期間の違いとその理由を説明させる形が考えられます。いずれも出題を保証するものではありません。

令和8年度【商標】問7の公式正解は5です。肢2は期間経過後の更新登録申請と更新の効果、肢4は専用使用権・通常使用権の設定と登録の関係を扱います。更新の効果は第23条、使用権の登録の効力は第30条・第31条に分けて検討します。 公式問題・公式解答。
レベル3のまとめ
  • 設定の登録の条件は登録料の納付(商標法第18条第2項)。一括(商標法第40条第1項)と分割の前半分(商標法第41条の2第1項)の2通り。納付期間は査定又は審決の謄本の送達があった日から30日以内(延長・期間経過後の納付の例外あり)。
  • 起算点を区別する:存続期間=設定の登録の日(商標法第19条第1項)/縦覧・登録異議の申立期間=商標掲載公報の発行の日(商標法第18条第4項、第43条の2)。
  • 四法で、存続期間の起算点が設定の登録の日であり、かつ更新ができるのは商標法だけ。特許法には延長(特許法第67条第2項・第4項)があるが、更新とは別の制度。
  • 更新は「満了の時」にされたものとされる(商標法第19条第3項)。更新登録の申請がなければ満了の時にさかのぼって消滅(商標法第20条第4項)。
  • 分割納付の後半分を追納期間内にも納付しないと、満了前5年の日に遡って消滅(商標法第41条の2第6項)。
  • 防護標章は更新登録の「出願」(商標法第65条の2第2項)、国際登録に基づく商標権は国際登録の日から10年(商標法第68条の21第1項)。
  • レベル1で単純化した「なぜ商標だけ更新できるのか」は、商標法第1条の目的(業務上の信用の維持)と結びつけた説明。立法担当者の説明(信用の保護と存続期間を限ることの相反、永久存続が不当となる3つの場合)は逐条解説〔第22版〕1625頁〜1626頁。

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