MENU

小学生でも分かる実用新案法|実用新案法第14条 実用新案権の設定の登録・実用新案掲載公報 ― 「登録した日」に権利が生まれ、すぐ公報で知らされる

小学生でもわかる実用新案法:設定登録(14条)

小学生でも分かる実用新案法 / B. 出願・登録・評価の手続 #10

PR この記事にはアフィリエイト広告が含まれます。

実用新案権は、特許庁の帳簿(登録原簿)に「設定の登録」がされた日に生まれます。登録がされると、その内容は「実用新案掲載公報」にのせて世の中に知らされます。特許とちがって、実用新案には「出願から1年6月で出願公開」というしくみがありません。出願された考案が世の中に公開されるのは、原則としてこの実用新案掲載公報が最初です。この記事では、第14条第1項〜第4項と、特許法第66条・第64条との違いを整理します。

条文:実用新案法第14条関連:実用新案法第3条の2、第32条第1項、第2条の3/特許法第64条、第66条参照時点:2026年9月

目次

LEVEL 1イメージでつかむ

権利の「誕生日」は帳簿に書かれた日

実用新案の出願をして、最低限のチェック(基礎的要件の審査。→#9の記事)に通ると、特許庁は帳簿に「この考案は○○さんのもの」と書きこみます。これが設定の登録です。実用新案権は、この登録がされた日に生まれます。出願した日ではありません。

学校のクラブに入るとき、「入りたい」と紙を出した日ではなく、先生が名簿に名前を書いてくれた日から「部員」になるのと似ています。

① 出願 「入りたい」の紙を出す (登録料もいっしょに) ② 設定の登録 名簿(登録原簿)に名前を書く =権利の誕生日 ③ 実用新案掲載公報 みんなに知らせる 「おしらせ新聞」 ✕ このあいだに「新しいか」のテスト(実体審査)はない ✕ 特許にある「出願から1年6月で公開」のしくみもない 凡例 出願人がすること 権利が生まれるとき みんなに知らせる ✕=しくみがない

図は左右にスクロールできます。

【図1】出願から設定の登録、実用新案掲載公報までの流れ。①②③は手続の順番で、権利が生まれるのは②「設定の登録」のとき。※説明の都合上、方式審査・基礎的要件審査・補正命令・却下は図から省略した(→実用新案法第6条の2の記事)。(2026年9月時点)

登録されると「おしらせ新聞」が出る

登録がされると、特許庁は「だれの、どんな考案が、いつ登録されたか」を実用新案掲載公報という公報(おしらせ新聞のようなもの)にのせます。だれでもこれを読めます。同じような考案を考えていた人は、「もう登録されているんだ」と分かります。

特許では、登録される前に「出願から1年6月たったら、まだ審査中でも中身を公開する」というしくみ(出願公開)がありますが、実用新案にはこれがありません。実用新案は新規性・進歩性等の実体審査をせずに登録され、公報は設定登録の後に発行されます。特許庁の案内では、登録実用新案公報の発行は設定登録から2週間程度が目安です(案件によって異なります)。 特許庁・公報FAQ 1-1

レベル1のまとめ

  • 実用新案権は「設定の登録」がされた日に生まれる(第14条第1項)。出願した日ではない。
  • 登録がされると、内容が「実用新案掲載公報」にのって世の中に知らされる(第14条第3項)。
  • 特許の「出願公開」(出願から1年6月)にあたるしくみは、実用新案にはない。

※「登録される」のは出願が放棄・取下げ・却下されなかった場合であること、公報に何をのせるかが条文で決まっていることなど、正確には条件があります(→レベル2・レベル3)。


LEVEL 2条文の骨格

経済安全保障推進法第82条第5項の例外もあります。明細書・実用新案登録請求の範囲・図面に保全対象発明が記載されている場合は、保全指定が解除されるか期間が満了するまで、設定登録はされません。 経済安全保障推進法第82条第5項 特許庁・入門テキスト「実用新案の設定登録」

第14条の構造

実用新案法第14条第1項実用新案権は、設定の登録により発生する。
実用新案法第14条第2項実用新案登録出願があつたときは、その実用新案登録出願が放棄され、取り下げられ、又は却下された場合を除き、実用新案権の設定の登録をする。
実用新案法第14条第3項前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を実用新案公報に掲載しなければならない。一 実用新案権者の氏名又は名称及び住所又は居所 二 実用新案登録出願の番号及び年月日 三 考案者の氏名及び住所又は居所 四 願書に添付した明細書及び実用新案登録請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容 五 願書に添付した要約書に記載した事項 六 登録番号及び設定の登録の年月日 七 前各号に掲げるもののほか、必要な事項
実用新案法第14条第4項特許法第六十四条第三項の規定は、前項の規定により同項第五号の要約書に記載した事項を実用新案公報に掲載する場合に準用する。
項 内容(要旨) ポイント
第1項 実用新案権は設定の登録により発生する 権利発生の時点=設定の登録(出願日でも公報発行日でもない)
第2項 出願があったときは、放棄・取下げ・却下された場合を除き、設定の登録をする 「登録料の納付があったとき」とは書かれていない(登録料は出願と同時に納付済み。第32条第1項)
第3項 登録があったときは、第1号〜第7号の事項を実用新案公報に掲載しなければならない 「しなければならない」=義務。この公報が「実用新案掲載公報」(第3条の2のかっこ書で定義)
第4項 要約書の記載事項の掲載について、特許法第64条第3項を準用 要約書の記載が不適切なときなどは、要約書の記載事項に代えて、特許庁長官が自ら作成した事項を掲載できる

〔表1〕第14条の項ごとの整理(e-Gov法令検索、2026年9月参照、要旨)。

実用新案掲載公報にのる7つの事項

号 掲載事項 やさしく言うと
第1号 実用新案権者の氏名又は名称及び住所又は居所 だれの権利か
第2号 実用新案登録出願の番号及び年月日 いつ、どの番号で出願されたか
第3号 考案者の氏名及び住所又は居所 だれが考えたか
第4号 願書に添付した明細書及び実用新案登録請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容 考案の中身(本文・請求項・図)
第5号 願書に添付した要約書に記載した事項 考案の要約(特許法第64条第3項の準用あり)
第6号 登録番号及び設定の登録の年月日 登録番号と権利の誕生日
第7号 前各号に掲げるもののほか、必要な事項 そのほか必要なこと

〔表2〕第14条第3項各号の掲載事項。

登録料の納付はいつ? ― 第32条第1項との関係

実用新案法第32条第1項前条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の登録料は、実用新案登録出願と同時に(第十条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更又は第十一条第一項において準用する特許法第四十四条第一項の規定による出願の分割があつた場合にあつては、その出願の変更又は出願の分割と同時に)一時に納付しなければならない。

実用新案では、第1年から第3年までの登録料を出願と同時に一時に納付します。ですから、第14条第2項は特許法第66条第2項のように「登録料の納付があったときに登録する」とは書かず、「放棄・取下げ・却下された場合を除き」登録する、と書いています。登録料を納めないときは、第2条の2第4項第3号の補正命令(→#9の記事)の対象になります。

gantt
    dateFormat YYYY-MM-DD
    axisFormat %Y-%m
    title 出願から設定の登録・実用新案掲載公報まで(出願の日を起算点にそろえた模式図)
    section ① 出願人がすること
    出願する(願書・明細書・実用新案登録請求の範囲・図面・要約書)    :milestone, m1, 2026-01-01, 0d
    第1年から第3年までの各年分の登録料を出願と同時に納付 第32条第1項   :crit, a1, 2026-01-01, 2026-01-08
    section ② 特許庁がすること
    方式審査 第2条の2第4項                        :active, a2, 2026-01-01, 2026-02-01
    基礎的要件の審査 第6条の2                      :active, a3, 2026-02-01, 2026-03-10
    補正命令があれば相当の期間内に補正(しなければ却下・第2条の3)   :done, a4, 2026-02-01, 2026-03-10
    section ③ 権利の発生と公開
    設定の登録=実用新案権が発生 第14条第1項・第2項          :milestone, m2, 2026-03-15, 0d
    実用新案掲載公報の発行(第14条第3項各号を掲載)           :milestone, m3, 2026-04-01, 0d

図は左右にスクロールできます。

凡例
◆時点(手続をする日・権利が生まれる日)
横棒=その手続・審査が行われる期間
①②③群の番号(読む順番)

【図2】出願から設定の登録・実用新案掲載公報の発行までを1枚にしたガントチャート。起算点は「出願の日」にそろえてある。※図の日付・横棒の長さは説明用の仮のもので、法定の期間ではない(実用新案法には登録までの法定期間の定めがない)。※時間軸は縮尺なし。※設定の登録までの期間について、特許庁「知的財産権制度入門テキスト(2025年度)第2節 実用新案制度の概要」は出願から平均2〜3か月としている(同テキスト、2026年9月参照。2026年9月時点の記述であり、法定の期間ではない)。※説明の都合上、実用新案技術評価の請求(第12条)・訂正(第14条の2)は図から省略した。

レベル2のまとめ

  • 第14条第1項:実用新案権は設定の登録により発生する。
  • 第14条第2項:放棄・取下げ・却下された場合を除き、設定の登録をする。登録料の納付は出願と同時(第32条第1項)なので、登録の条件として書かれていない。
  • 第14条第3項:登録があったときは第1号〜第7号を実用新案公報に掲載しなければならない(=実用新案掲載公報)。
  • 第14条第4項:要約書の掲載について特許法第64条第3項を準用。


LEVEL 3要件・例外・試験での問われ方

1. 特許法第66条との条文対比

特許法第66条第1項特許権は、設定の登録により発生する。
特許法第66条第2項第百七条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の特許料の納付又はその納付の免除若しくは猶予があつたときは、特許権の設定の登録をする。
特許法第66条第3項(柱書)前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。ただし、第五号に掲げる事項については、その特許出願について出願公開がされているときは、この限りでない。
項 特許法第66条 実用新案法第14条 違いの理由(本記事作成者の整理)
第1項 特許権は設定の登録により発生 実用新案権は設定の登録により発生 同じ
第2項 第1年〜第3年分の特許料の納付(又は免除・猶予)があったときに設定の登録 放棄・取下げ・却下された場合を除き設定の登録 特許は特許査定後に特許料を納付するが、実用新案は出願と同時に登録料を納付済み(第32条第1項)。実用新案には「査定」もない
第3項 第1号〜第7号を特許公報に掲載。ただし書:要約書の事項は出願公開済みなら掲載不要 第1号〜第7号を実用新案公報に掲載。ただし書なし 実用新案には出願公開がないので、要約書の事項を掲載しない場面がない
第4項 第64条第3項を準用(要約書の差替え) 特許法第64条第3項を準用(同じ) 同じ

〔表3〕特許法第66条と実用新案法第14条の項ごとの対比。第1号〜第7号の掲載事項は、「特許権者/実用新案権者」「発明者/考案者」「特許番号/登録番号」などの語の違いを除いて対応している。

2. 出願公開制度がないこと ― 特許法第64条との対比

特許法第64条第1項特許庁長官は、特許出願の日から一年六月を経過したときは、特許掲載公報の発行をしたものを除き、その特許出願について出願公開をしなければならない。次条第一項に規定する出願公開の請求があつたときも、同様とする。

実用新案法には、特許法第64条に対応する出願公開の規定がありません。実用新案登録出願は実体審査を経ずに早期に設定登録され(→#9の記事)、その登録と同時に第14条第3項で内容が公報に掲載されるためです。したがって、実用新案では次の点が特許と異なります。

比較項目 特許(特許法) 実用新案(実用新案法)
出願内容が最初に公開される公報 出願公開(公開特許公報。第64条)、または先に登録されれば特許掲載公報(第66条第3項) 実用新案掲載公報(第14条第3項)のみ
公開の時期 原則、出願の日から1年6月経過後(第64条第1項) 設定の登録があったとき(第14条第3項)。法定の期間はない
審査中に公開されるか される(審査未了でも1年6月で公開) 実体審査がないため、「審査中の公開」という場面がない
出願公開の請求(早期公開) あり(第64条第1項後段・第64条の2) なし
公開に基づく補償金請求権 あり(特許法シリーズ「第65条」の記事参照) なし(登録により実用新案権そのものが発生している)
要約書の掲載の特例 第64条第3項(要約書の記載事項に代えて、長官が作成した事項を掲載可) 第14条第4項で特許法第64条第3項を準用

〔表4〕出願公開の有無に関する特許と実用新案の対比。

flowchart LR
  subgraph P["特許出願の公開ルート(特許法)"]
    direction LR
    P1["① 出願"] --> P2{"② 出願の日から1年6月を経過したか"}
    P2 -->|"はい(特許掲載公報がまだ発行されていない)"| P3["③ 出願公開
公開特許公報 第64条第1項"] P2 -->|"いいえ(先に設定登録された)"| P4["④ 特許掲載公報
第66条第3項"] P3 --> P5["④ 審査を経て設定登録
→ 特許掲載公報 第66条第3項"] end subgraph U["実用新案登録出願の公開ルート(実用新案法)"] direction LR U1["① 出願"] --> U2{"② 出願公開の規定はあるか"} U2 -->|"いいえ(対応する規定がない)"| U3["✕ ③ 出願公開はない"] U2 -->|"基礎的要件審査を経て設定登録
第14条第2項"| U4["④ 実用新案掲載公報
第14条第3項"] end style P3 fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F style P4 fill:#E6F5F3,stroke:#1F8A83,color:#22303F style P5 fill:#E6F5F3,stroke:#1F8A83,color:#22303F style U3 fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F style U4 fill:#E6F5F3,stroke:#1F8A83,color:#22303F

図は左右にスクロールできます。

凡例
登録前に出願内容が公開される公報
登録とともに発行される公報
✕=その制度がない
①〜④左右で対応する段の番号

【図3】出願内容が公にされるルートの対比。左右の①〜④は対応する段で、語もそろえてある。特許には「出願公開(公開特許公報)」と「特許掲載公報」の2つの公報があるが、実用新案は「実用新案掲載公報」の1つだけ。※説明の都合上、出願公開の請求(特許法第64条の2)、補償金請求権(特許法第65条)は図から省略した(→〔表4〕)。(2026年9月時点)

特許法第64条の2は出願公開の請求とその例外を定め、請求は取り下げられません。第65条の補償金請求権は、出願公開後の警告又は実施者の悪意などの条件を満たす登録前の実施を対象とし、設定登録後でなければ行使できません。実用新案法第14条はこれらを準用せず、設定登録後の公報発行を定めています。 特許法第64条の2・第65条 実用新案法第14条

3. 第3条の2「実用新案掲載公報」の定義との接続

実用新案法第3条の2(本文)実用新案登録出願に係る考案が当該実用新案登録出願の日前の他の実用新案登録出願又は特許出願であつて当該実用新案登録出願後に第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行又は特許法第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報の発行若しくは出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲又は図面(同法第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された考案又は発明(その考案又は発明をした者が当該実用新案登録出願に係る考案の考案者と同一の者である場合におけるその考案又は発明を除く。)と同一であるときは、その考案については、前条第一項の規定にかかわらず、実用新案登録を受けることができない。

「実用新案掲載公報」という語は、第14条ではなく第3条の2のかっこ書で定義されています。「第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報」がそれです。第3条の2(拡大先願)では、先の出願が「実用新案掲載公報の発行」「特許掲載公報の発行」「出願公開」のいずれかで公にされたことが要件になっており、実用新案の先願については実用新案掲載公報の発行だけが挙げられています(実用新案には出願公開がないため)。

flowchart LR
  A["① 実用新案登録出願"] --> B["② 設定の登録
第14条第1項・第2項"] B --> C["③ 実用新案公報に
第14条第3項各号を掲載"] C --> D["④ =実用新案掲載公報
第3条の2のかっこ書で定義"] D --> E["⑤ 第3条の2
後願排除の効果が生じる
先願の公開形態の一つ"] D -.-> F["⑥ 第12条(任意)
実用新案技術評価の請求
何人も請求できる"] D -.-> G["⑦ 第14条の2(任意)
登録後の訂正"] style B fill:#E6F5F3,stroke:#1F8A83,color:#22303F style D fill:#FFF3E8,stroke:#D9782D,color:#22303F style F fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F style G fill:#ECEBF8,stroke:#4A4F9C,color:#22303F

図は左右にスクロールできます。

凡例
権利が生まれるとき
「実用新案掲載公報」の定義にあたる箱
登録後の任意の手続
当然に生じる効果
任意の手続(しなくてもよい)
①〜⑦矢印の順番

【図4】設定の登録から実用新案掲載公報へ、そして他の条文への接続。⑥実用新案技術評価の請求と⑦訂正は、してもしなくてもよい手続なので点線で示した。第12条・第14条の2の詳細は各記事を参照。※説明の都合上、無効審判(第37条)は図から省略した。(2026年9月時点)

4. 「設定の登録」に関する要件・例外の整理

論点 条文上の帰結 注意
権利発生の時点 設定の登録の時(第14条第1項) 出願日・公報発行日ではない
登録されない場合 出願が放棄・取下げ・却下されたとき(第14条第2項) 「却下」には補正命令に応じない場合の却下(第2条の3)が含まれる。第14条第2項の文言上、これ以外の除外事由は書かれていない
登録の前提となる料金 第1年〜第3年分の登録料は出願と同時に納付(第32条第1項) 納付がないときは第2条の2第4項第3号の補正命令の対象
公報掲載 登録があったときは掲載しなければならない(第14条第3項) 義務規定。掲載事項は第1号〜第7号
要約書の掲載 特許法第64条第3項を準用(第14条第4項) 要約書の記載が第36条第7項の規定(特許法)に適合しないときその他必要があると認めるときに、要約書の記載事項に代えて、特許庁長官が自ら作成した事項を掲載できる。実用新案では第5条第7項の要約書の記載要件に対応する(第14条第4項による準用)

〔表5〕設定の登録に関する要件・例外の整理。

第14条第4項は、実用新案公報への要約掲載について特許法第64条第3項を準用します。第64条第3項の「第36条第7項」に対応するのは、実用新案法第5条第7項の要約書の記載要件です。要約がその要件に適合しないときその他必要があるときは、要約書の記載事項に代えて、特許庁長官が自ら作成した事項を掲載できます。第14条第4項自体に明文の読替え表はありません。 実用新案法第5条第7項・第14条第4項 特許法第64条第3項

5. 試験での問われ方

試験種別 問われ方の傾向 気をつける点
短答式 「実用新案登録出願は出願の日から1年6月を経過したときに出願公開される」のように、特許法の出願公開の規定を実用新案に当てはめた誤りの枝や、権利発生時点(設定の登録)を問う枝 実用新案に出願公開はない。権利発生は設定の登録。登録料は出願と同時に納付
論文式 無審査登録制度の流れの中で、登録・公報発行・技術評価・訂正の各段階を条文番号つきで説明させる形 第14条第3項の「実用新案掲載公報」が第3条の2の定義であることを正確に書く
口述 「実用新案権はいつ発生するか」「実用新案に出願公開はあるか」の一問一答 特許法第66条・第64条との違いを即答できるようにする

〔表6〕試験での問われ方の整理。傾向の記述は本記事作成者の整理であり、出題を保証するものではありません。

令和8年度短答式の問5は出願・登録、問6は実用新案権を扱います。設定登録時の掲載事項を直接問う肢はこの2問にはありませんが、問6の5は無効審決確定後の原簿登録と実用新案公報への掲載を扱います。公式正答は問5が4、問6が3です。 令和8年度問題 公式解答

レベル3のまとめ

  • 実用新案権は設定の登録により発生(第14条第1項)。特許法第66条第1項と同じ構造。
  • 第14条第2項は「放棄・取下げ・却下された場合を除き」登録するとし、特許法第66条第2項のような「特許料の納付があったとき」という条件がない。登録料は出願と同時に納付するため(第32条第1項)。
  • 第14条第3項の公報掲載は義務規定で、掲載事項は第1号〜第7号。特許法第66条第3項のただし書(出願公開済みなら要約書の事項を掲載しない)は、実用新案に出願公開がないため存在しない。
  • 実用新案には特許法第64条に対応する出願公開制度がない。出願内容が最初に公にされるのは実用新案掲載公報。
  • 「実用新案掲載公報」の定義は第3条の2のかっこ書(「第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報」)。

関連記事


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次